NANA 第44話 「ブラストVSトラネス」

  • 2020-03-13
  • 2020-03-13
  • NANA
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あらすじ

「私の夢は、バンドを成功させて日本中の人に自分の名前を覚えてもらう事だった。たとえ、たった一人の呼んでもらえなくなっても」

レンの秘密

トラネスとブラストが出演する生放送の歌番組、それぞれがそれぞれの思いを胸にリハや本番の時を待ちます。久々にヤスに会ったレイラは「裏切り者!」といつかの怒りを小言にして言い放ちます。

トラネスのところに顔をだしに来ていたヤスは、レンの様子がおかしいことに気づきます。どうやら、レンはクスリをやっているようで、それを知っているヤスはトイレでレンを落ち着かせるとともに、叱責します。

ヤスとレン

なだめるように、「心配しなくても俺はナナをお前から奪う気は無い」とヤスが言うと、虚ろげなレンは「そうだろうねぇ、ヤスは昔から何でも俺に譲ってくれる。人のこと見下してムカつくよ」と言います。そんなレンにヤスは、「ナナがいないとお前が不安定になるのと同じように、レンがいないとナナも不安定になるのだ」と過呼吸の発作のことについて語ります。 

ヤスは、ナナは幼い頃の母親に捨てられた一件が相当尾を引いていること、レンには芸能界という世界が向いていないことを踏まえ、無理に上京を勧めたことを後悔します。「もう無理するな。お前は俺やタクミとは違い、理屈で考えずにふ自分の思うようにやれ、そんなんじゃどの道長くは続かない」とヤスは諭します。

タクミの分析とランスルー

一方の、トラネスの楽屋ではタクミがレコード会社のマーケティングに関してコメントをしています。タクミはブラストがトラネスに匹敵する勢いでシングルを売り出していることに対し、興味深く考えトラネスのチャート1位も危ないと言い周囲を驚かせます。

ランスルーと言われるリハが終わり、シンは一人で寝たいと言いバンドの車に向かいます。一方個室のあるナナは、ふざけてヤスに一緒に寝るかと問いますが、「もういいって」と軽く受け流され、複雑な心情になります。

そして、ヤスについて考えながら自分の控え室に行き、一ヶ月も放置してるレンは既に見限られているだろうとドアを開けます。

レンとナナ 再開

すると、ドアを開けるとレンが「お疲れ様〜」と楽屋に居座っています。人の楽屋に勝手に入っていることをナナは咎めますが、レンに対する気持ちのケジメをつけなきゃと思い始めます。

「こんな風にたまに会ってお互いのことを話したり、抱き合ったり。そんなクールな恋愛ドラマみたいな付き合い方、私たちにはやっぱり無理だ。ずっと一緒にいられないなら、終わらせた方が楽になれる。レンだってきっとそう思ってる。」とナナが一人で思っていると目の前のレンが「話がある」と言い、ナナは覚悟と怖さの入り混じった気持ちになります。

シンとレイラ 再開

一方のシンはレイラと待ち合わせしていた車に急ぎます。車に入ると待ち伏せしていたレイラが入ってきて二人は再開を喜びます。「シンちゃんのしたいことをさえて」というレイラにシンは戸惑い、「思春期の少年のしたいことなんか、今までと大して変わらない。どんな話でも聞くよ」と言いますが、「してあげるのと、してもらうのは、意味が違うよ」とレイラは静かに語り、二人は唇を重ねます。

レンのプロポーズ

楽屋ではナナとレンが、微妙な距離感で会話をします。レンから別れを切り出されるのではと恐怖ではちきれそうなナナですが、レンは「結婚したい」と静かに言い、二人はそのまま抱き合い一緒に寝ます。

その頃、ノブは変装して美雨の撮影現場に赴きます。ノブはいつも通り軽いノリで、思わせぶりなそぶりや会話を振りますが、そこで美雨が27歳だと聞かされ、絶句して仕事に戻ります。自分の頼りなさを嘆くとともに、ノブはふと奈々のことを思い出します。

運命論と天国

「私は子供の頃、自分は誰にも愛されない人間なんだと思っていた。だから16の冬、レンと結ばれた時は何かとてつもなく幸福な夢を見ているようで、現実味がなかった」「愛する人に愛されるなんて、私には奇跡だ。運命の相手だと思った。」というモノローグとともに、シンとレイラ、ナナとレンは体を重ねます。

来週が誕生日だというレイラとシンは二人が同じ誕生日だとわかり、レイラは赤い糸だ!と喜びます。一方のナナとレンはプロポーズの後で二人だけの時間を味わいます。死ぬ時は道連れだというレンに対し、ナナは心の中で「半殺しにされて、一緒に天国まで行ってしまった。私の変態かよ」と自嘲気味に自分を見つめます。

ヤスとレンの絆

ナナは何事もなかったかのようにバンドの控え室に戻りますが、あっさりレンと楽屋にいたことがバレてしまいます。肝心のヤスがレンを想うコメントをしたことにより、ナナはヤスが人畜無害なのは決して悟りを開いたのではなく、自分がレンの女である故だと分析します。

自分にとって必要不可欠な存在となってしまったヤスとレン、ヤスが自分のことを大事にしてくれるのは、幼い頃から兄弟のような存在であるレンとの絆のためなのだということに気づき、自分がレンからは離れることはできないのだと改めて認識し、一抹の絶望を覚えます。

さて、ついにバンド同士が対面し、ナナはタクミと再開することで敵意をむき出しにします。レイラに対しても警戒しますが、レイラの天真爛漫さにあっさり戦意喪失します。

幸せ

その頃、奈々とタクミの家には淳子が来てブラストとトラネスの生放送に向けて待機しています。料理もこなしすっかり嫁として成長している奈々に淳子は驚きます。そして、今までで一番幸せそうだ、タクミと出会わせてくれたナナに感謝だねと奈々に優しく語ります。

「ねぇ、ハチ。アンタとタクミを会わせたことを、あの頃私は心底悔やんでたけど、もし、アンタが今もあの男の側で幸せに暮らしているのなら、少しは私も救われる。たった一つの、頼みの綱だよ。」

みどころ

ついに公式の場でトラネスとブラストが顔を合わせます。と言っても、お互いがお互いのことをよく知っているので、この生放送は顔合わせ以上の大きな意味を持つものになります。

今回、レンが薬物に依存していることやナナと同様に精神が不安定であることが発覚します。それと同時に、そんなレンとナナ二人のことを親身になって考え支えているのがヤスだということも描かれます。

結果として、ナナのヤスに対する期待や重いというものは全て届くはずもなく、ヤスがひたすらレンのことを大事にしていることを悟り、ナナが自分とレンの依存しあう関係は切ることができないと一人思い悩むシーンは非常に印象的です。

一方の、シンとレイラの関係も非常に面白い展開を見せています。「してあげるのと、してもらうのは意味が違う」や、運命論を「今信じた」という名言名シーンは何度見ても面白いですね。

合宿の時から続く、シンとレイラのメールと、ナナとヤス、レンの実社会の思いという様々な構図がバンドの対面と同時に全てが一緒になるという展開も、物語という観点から非常に興味深くよくできています。

個人的に注目したいのはナナのモノローグに見られる「頼みの綱」という表現です。強気に見えるナナが精神的に非常に脆く危ない存在であることが上手に描かれています。この回の後半では奥さんとして頑張る奈々も描かれますが、改めて二人の強さや弱さが浮き彫りになり、原作者の人物描写や思いの描き方に驚嘆します。

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