タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら

最近、スプラッターとかホラーを克服しつつあるので書いてみました。

概説

親友同士のタッカーとデイルは、念願の別荘を手に入れ、休暇を自分たちの山小屋で過ごそうと森へやって来た。しかし2人は、同じ時にキャンプに来た生意気な名門私立の大学生グループに、人里離れた山に暮らす殺人鬼だと勘違いされる。タッカーとデイルが川で溺れかけた女子大生を助けたことで、更に誤解が誤解を生み、次々と死人が出てしまう。仲間の女子大生を救おうと大学生が襲いかかってくるが、事態はなぜか不思議なありえない展開に!気のいいタッカーとデイルの運命やいかに…?© 2010 T&D Productions Limited All Rights Reserved

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あらすじ

「ザ・大学生」というような、学生たちが車でキャンプ場を目指すシーンから話は始まります。その道中で、イカツイ目つきの悪い男二人組にガンを飛ばされ、車内では「やばそうなヤツら」だと話題になります。

学生たちは買い出しのために雑貨店によると、君の悪い店内に君の悪い先ほどの男二人組がいます。店内を不気味がり学生たちが駐車場に戻ると、男二人組がとうとうしゃべり始めます。

そう、このイカツイ男二人組が主人公である「タッカーとデイル」です。イカツイ見た目とは裏腹に、優しくて気の弱い、女性に声をかけるにも奮起しなければ行けないほどの人物です。二人は、コツコツ貯金して貯めたお金で念願の別荘を購入し、そこの手入れと修復に行くようです。

駐車場にいる学生たちをみて、声をかけてみようと思いますが、なかなか勇気が出ないデイル。タッカーからのアドバイスを元に女子大生たちに近づきますが、不気味に笑いながら近く結果となってしまい大失敗となります。結局、大学生たちはデイルたちから逃げるようにその場を後にします。

さて、失意に打ちのめされながらタッカーとデイルは別荘を目指しますが、パトカーに呼び止められてしまいます。警官に「モリス湖のほとりの別荘に寄るところだ」と伝えると、「あそこは恐ろしいところだ」と忠告を受けます。しかし二人は意に介さずに別荘に向かいます。

しかし、その警官のいうことは実は本当だったのです……

みどころ

血祭りエンターテイメント

あらすじの通り、一見するとサイコホラー・スプラッター的な要素のお約束を踏襲しておきながら、主犯となりそうな男二人組は女子大生に声をかけるのも緊張してしまう「気のいいヤツら」、というチグハグな映画です。

映画としては、文学的要素や社会学的要素よりも、「スプラッター」「お決まりパターン」が目立つエンターテイメント性が全面に押し出された映画です。「不謹慎を承知で大学生たちが命を落としていくのを観て楽しむ」というタイプの映画です。

安売りされる大学生の命

一昔前は「ティーンエイジャー」という括りが社会的にめんどくさいヤツらの代表でしたが、現在は大学生の一部もそのカテゴリーに属しているようです。日本とアメリカでは大学生のあり方が違うとは聞きますが、ピンキリなのでしょうかね……どことなく、日本の大学生と似たようなところを感じるので観ていてなかなか面白いです。

タッカーとデイルはサイコキラーと勘違いされてしまい、溺れた学生を助けたのが誘拐と認識され、大学生たちは仲間を救出すべく正義感に駆られて二人に襲いかかります。しかしまあ、全てが上手くいかず結果的に自滅して命をぽんぽん落としていきます。

この構図は、作品の後半までずっと維持されて、面白いように大学生たちが死んでいきます。ポイントとしては、タッカーとデイルが「直接手を下しているわけではない」というところです。結果としては二人の行動によって大学生たちが死んでいくのですが、意図を持って殺しているケースは作品通して一度もありません。

大学生の返り討ちがエグい

さて、学生の方もやられっぱなしではいません。当然のように死んだ仲間の敵討ちを画策します(タッカーとデイルは悪くないのですが)。そして、その手法やら考え方が非常に非人道的なのが興味深い点です。

タッカーとデイルは元来、気の優しい「いいやつら」なのでそもそも人を殺そうと思っておらず、いわば大学生が勝手に死んでいくのにその濡れ衣を着せられている状態です。二人は学生たちが集団自殺を企てているのだとすら考えています。

一方の学生たちは二人がサイコキラーだと思っているので必死になって戦おうとしますし、汚い手も平気で使います。むしろ学生の方が残忍になっていくのが非常に面白いです。

お約束のどんでん返し

ネタバレになるので詳細は伏せますが、この映画もしっかりとストーリーにどんでん返しが設置してあります。ストーリー序盤から話題になっている20年前の虐殺事件が最後の最後にキーポイントとなって、話は急展開していきます。

最近の映画は、一筋縄ではいかないプロットが多いですが、この映画も例に漏れず最後まで驚きと興奮を提供してくれます。

賛否はあるかと思いますが、ハマる人はとことんハマる非常に面白い映画です。グロ耐性は多少必要ですがコメディ要素もたくさん入っているので是非是非オススメしたい作品です。

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