NANA 第35話 「レイラの孤独」

  • 2019-10-07
  • 2019-10-07
  • NANA
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あらすじ

頬の傷

「いちごのグラスは、百円ショップにまだ普通に売られていた、なのに、スペアを買い足さず大切にしていたハチの気持ちを思うと、覚えのない左ほほの傷がひどく傷んだ。」というナナのモノローグから始まります。この傷は、グラスを割った時の破片が飛んだ際にナナの頬についたものです。

今日の夜は家に帰ってハチに謝ろう、そう思ったナナはいちごのグラスを買って帰ります。そして、記憶が飛んだあとレンの家にいたことや、これ以上ヤスには甘えられないという認識を新たにします。

歌っていないと価値がない

一方、ヤスの家ではレイラがヤスに抱きつき泣いています。ヤスは自分はすぐに仕事に戻らなきゃいけない、なるべく早く帰るからそれまで一人でいるようにとレイラに伝えます。タクミが結婚するという事実が相当なショックだったようで、歌う気になれずレコーディングを逃げ出して来た、頼れるのはヤスだけだったとのことです。

「どこにいても見張られている気がする。レコーディング逃げ出したなんて知られたらみんなから呆れられ、見放される。でも歌えない。どうしよう。自分は歌っていないと価値がないのに」というレイラの悲痛な叫びをヤスは思い出し思い悩みます。

キレる仕事人タクミ

レコーディング会場はレイラの連絡がつかないことにやきもきしています。誰も逃げ出したわけがわからないので周囲は疑問に思います。そして、タクミは痺れを切らし出ていってしまいます。

水を飲んで落ち着こうとするタクミに、「仕事中にお酒ですか?」とレンが茶々を入れに来ます。そして、そんなに仕事が大事ならレコーディング前に歌姫を動揺させるようなことをするなと指摘します。タクミとレイラの関係を知るレンだからこその指摘です。

ずっと愛していたタクミが結婚するなんてことになったら、レイラはもう歌えなくなるかもというレンに対してタクミは、「そんなことで歌えなくなるようじゃ困るし自分はレイラは妹みたいな存在で恋愛感情は持てないのだ」と語ります。 

レンは、レイラはタクミから愛されれば歌が歌えるようになるかもしれないし、一般人と結婚するよりレイラと結婚した方がバンドとしてはよほど成功すると言い、「強欲なお前ならではの生き方を提案してやってるんだ」と言ってのけます。

タクミの心境

そんなレンに対して、「お前は自分の成功のために女も仲間も捨てて魂さえ売った男だろ!買ったのは俺だけど」とタクミは返し、昔のレンは根っからのパンク野郎でその時が一番カッコよかったと言います。しかし、今も正統派ヒーロー風味で普通にかっこいいとも言います。

「おかしな話だよなあ、なんで城がでかくなるほど窮屈になるのか。いつの間にか、可愛い妹を高い塔のてっぺんに閉じ込めちまった。愛してもやれないのに。俺の人生最大の罪だ。でも、あいつは歌うしか能のない世間知らずだし、自分ももう引き返せない。せめて塔をよじ登ってでも抱きしめてくれる王子様が入ればな」とタクミは静かに語ります。

引き渡し

そんな時に、レンに着信が入りタクミに代わります。電話の相手は「元王子、ハゲてるけど」とのことでヤスです。夕暮れの公園にて、タクミとヤスが落ち合います。ヤスが自分のアパートの鍵をタクミに渡します。逃げて来たレイラを引き渡すということです。「これでまた、俺はレイラに憎まれるよ。でも、歌ってなければ価値が無いなんて、あんなセリフが聞きたくてアイツと別れたわけじゃない。いいけげんなんとかしてやれ」とヤスは語ります。「そう思うなら、お前がなんとかしてやれよ。憎まれ役は俺の専売特許だ」とタクミは言い残し帰ります。

ヤスの裏切り者!

ヤスの部屋でレイラが寝ていると、ドアの開く音がします。ヤスが来たと思いレイラが起きるとそこにはマネージャーの姿がありました。「ヤスの裏切り者!」とレイラは叫びCDケースを投げます。駄々をこねるレイラに、マネージャーは連れ戻しに来たわけではない、レコーディングは延期になったと告げます。

どうやら、タクミが社長クラスまで掛け合って、レイラが歌えるようになるまで休ませてやろうと進言したようです。タクミは厳しいことを言っていてもレイラのことを考えてくれてるのだ、とマネージャーが言うとレイラはそれを否定します。「タクミは、私を見放したんだよ。仕事投げ出すようなボーカルはいらないんだよ!」とレイラは言います。そして、「いますぐスタジオに戻るから、みんなに連絡して、私から歌う場所まで奪わないで!私には、歌しかないんだから。」と泣きながら頼みます。

ノブのショック

その頃、ナナとノブはラーメン屋にいます。有線でトラネスの曲が流れてナナは不機嫌になります。二人は、ナナが最近記憶が曖昧になることなどについて話します。食べ終わった後、ノブは友達なら奈々がピンチの時に話を聞いてあげるべきだったんじゃないかと言います。ナナは今朝会った時はタクミに話させるだけで何も言わなかったと言います。そして、ナナは何を聞いても驚かないと言うノブに、二人が結婚するんだと言うことを告げます。

予想よりもショックを受けていそうなノブをナナは気遣いますが、ノブは自分と会った時の態度から感づいてはいた、奈々はなんだかんだ言ってタクミに惚れているのだと語ります。しかし、自分が当事者なのに蚊帳の外な現状に嘆き、自分が奈々にとって頼りない存在だったのだろうかと呟きます。

ナナの涙

ナナは、ノブを慰めようと強引に抱き合おうとします。「あんたは私よりも何十倍も心がでっかい。私はあんたに出会うまで人間なんか大嫌いで親友なんてできなかったけど、あんたに会って初めて世の中捨てたもんじゃないと思ったんだ」と言います。「あんたは頼りなくなんかないよ、ノブ。女に振られたくらいでいじけるなよ」と言い、ナナはノブの肩で泣きます。

「レンよりずっと華奢なノブの肩は、震えていなかった。胸を貸すはずが、私が借りる羽目になってしまった」「私はノブに、借りが山ほどあるから、やっぱり、ハチと仲直りするわけにはいかないよ。いちごのグラスは、レンの部屋に持ち帰ろう」とナナのモノローグが語られます。

不穏な影

一方、週刊誌の事務所はレンとナナの関係を仕入れたようで、記者に二人のゆかりの地を調べるよう指示を出します。「ブラストのメジャーデビューをガイアは渋っているらしいが、こんな楽しい対バンは他にない。俺がでかい祭りを起こして一気にトラネスと同じステージにあげてやる。因縁試合の幕開けだ」と編集長と思しき人が意気込みます。

レコーディング

その頃、奈々は新居のパンフレットを見て3LDKで賃料100万の記載を見て目を回します。レコーディングスタジオではレイラが歌入れを行なっています。そんな様子を見て、レンは「せめて後ろでギター弾かせてよ、抱きしめるわけにはいかないしな」と呟きます。タクミとレンは複雑な心境です。

「あのさぁハチ、私がトラネスに敵対心を持っていたのは、女としてよりボーカリストとしてレンの心を奪うレイラが羨ましかったからで、レンを見返したかっただけで、別に敵に回したかったわけじゃない。だけど、あんたを奪われたあの日から、打ち任さずにはいられなくなったんだ。どうしても、奪い返したかった。」

みどころ

奈々とタクミの結婚によって生じた様々なイベントが鮮やかに展開され、そしてタクミやレン、そしてヤスのレイラへの複雑な感情が描かれる、なかなか泣かせる回です。

タクミとレンのレイラに関する会話はコミカルに描かれますが、なかなか複雑で思いものです。そして、ボーカリストとしてのレイラの思いと、女としてタクミに抱き続けてきた恋愛感情との相反も緻密に描かれます。二つの感情でいっぱいいっぱいになるレイラ、悪者は俺の専売特許だと仕事のためだと後悔しつつも割り切れるタクミとが対比されています。

一方の、奈々は最初のモノローグと最後のモノローグで言っていることが180度変わります。人生の中でノブという存在が大きくそして重大だったことがわかり、そしてそれ故に奈々のことを許すことができないという風に結論づけます。

恋愛感情が絡まないが人生の中で重要な意味を持つ異性というものが誰しもいるかとは思いますが、なかなか難しいのだなと感じます。賛否両論あれど、自分は今回のエピソードを経てタクミが好きになりました。

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