あらすじ
スカウト、そしてレイラとシン
レイラが、自分がハーフだということによる悩みや事務所の方針への苦悩を語り、人間って疲れると語ります。ベッドの相手は他ならぬシンです。
翌日のスタジオ、ノブから前日の出来事について報告を受けたシンは「中途半端なことをしたね」とコメントしノブを困らせます。どうやらライターをレイラの所に忘れてきたらしく、マッチの火がつけられずに困り果てます。ヤスはどうやらスカウトについて報告をしたいらしく、ナナが来てメンバー全員が揃うのを待ってから話すともったいぶります。
ナナと奈々
そして、707号室、奈々はナナからスカウトについて聞かされ大喜びします。どうやらライブの映像やデモテープをレコード会社にバラまいており、ガイアミュージックという業界最大手の有名会社からスカウトされたと語ります。次のライブに会社の人が来るらしく、その出来次第で話が本格的に進めてもらえるとのこと。生のライブがかっこいいことに定評のあるブラストなので絶対大丈夫だと奈々は言い、ナナは勝利宣言をします。
一方の奈々は、タクミとの件についてナナに切り出します。ラブラブなのを見たよ、とナナは特に気にもとめていない様子ですが、色々と気を使わせてしまったと奈々は謝ります。ナナはせっかくレンガオフなのでしばらくレンのところに泊まることにするんだと言い、特にタクミとの関係を咎めることなく接します。それに対して、奈々は芸能人と付き合っていることを含めて、軽蔑されるのではないかと思って言い出せずにいたのだと告白します。
ナナの優しさ
ナナは「タクミがたまたま売れっ子のミュージシャンだっただけで、そんなの関係なく惚れちまったのだろう」と奈々に言いますが当の奈々は自分の気持ちがいまいちわからず困惑します。ナナは一回記念に芸能人とやっておこうっていう女は嫌いだけど、奈々はそんなんじゃないし、タクミも奈々のことを愛おしく思ってくれてるだろうと励まします。
奈々は自分がタクミと寝たことをノブが知っているのは何故なのかと疑問に思うと、ナナはついレンから聞いたトラネスの打ち上げでの一件について口走りそうになります。奈々はタクミ打ち上げで自分と寝たことを言ったのだと悟り、ノブが自分に告白しに来たのだと奈々はナナに相談します。周りはなんとなくノブが奈々に惚れていると気づいていたとナナは言いますが、奈々はちっとも気づかなかったと苦悩します。
河原にて、奈々とノブ
同じ頃、ノブは奈々と気まずい関係になってしまったと苦悩しシンに愚痴をこぼします。シンはノブにはタクミに勝っていることがある、と励ましますがそんなシンには「R」から電話が来ます。シンは帰り際、ノブがタクミに勝てるのは「愛」だと答え、レイラの元へライターを取りに行きます。
レイラの家にて、「わざと忘れたでしょう」「上がって」というレイラに対して、シンは前払いを要求します。その頃、ナナはお風呂に入り、アパートに訪れたノブと奈々は河原を散歩しその歌声を聞きます。ノブは前日押しかけたことを詫び、そして「好きだ」と告白します。
それぞれの苦悩
一方の、レイラとシンも新たな局面を迎えます。前払いを拒否したレイラに対しわざと冷たく当たるシンは、レイラが男を買ったことや遊んだことがあまりないことを看破してたのです。一枚上だったシンは切なく寂しげなレイラと別れますが、自らもまた苦悩します。
奈々はノブの告白を聞き心がかき乱されます。「何かを大きく間違えてる気がする」と自問する奈々は、タクミと寝たことを誰にも知られたくなかったと嘆きます。そして自分は本当にタクミが好きなのか?タクミと寝たことを正当化したいだけなのではないか?と自問自答し苦しみます。
かき乱される奈々の心
ノブは、奈々の心をかき乱してしまったことを詫び、寂しいからまたこれからも今まで通りスタジオに来て欲しいと頼みます。奈々の好意的な返答を聞き、「俺はもうそれだけで十分だ」とノブは安堵します。そして、そんな一途なノブを見た奈々はタクミと寝たことを後悔しつつも、またタクミが来たら自分はきっとまたタクミと寝るのだと嘆き苦しみます。
翌朝から、ナナはノブの所に二週間ほど泊まることになり、書き置きを残してアパートを去ります。そんな書き置きを見つつ、「二週間経てば戻って来てくれるよね」と寂しく思いにふけります。そして、「ねえナナ、今でもあのテーブル越しに、ナナの姿を願わない日はない。心で名前を呼びかけたりする。何度も、何度でも」というモノローグで締められます。
みどころ
奈々を中心に展開される恋愛模様と、それぞれの愛情などが渦巻く、いよいよ人間ドラマが本格化してくる回です。腫れ物に触るように奈々に接しつつもしっかり励ますナナの優しさや、ノブの愛情など色々と出て来ますが全てが奈々を苦しませます。
ノブの優しさとタクミと寝てしまったことへの罪悪感、わからなくなってしまった自分の感情と上手に向き合い処理することのできない奈々の苦悩が本当によく描かれています。ノブと奈々の会話を彩るナナのソロも本当に印象的です。こんな演出どうやったら考え付くんでしょうかね。
シンとレイラの関係も新たな局面を迎えます。シンの方がレイラよりも色々と上手なのが印象的です。しかしそれでいて、一人残されたエレベーターの様子を見ると、やはりシンも悩める一人の少年であることがわかります。
ナナが不在となる二週間でどんなドラマが展開されるのか不安と期待を掻き立てる回でした。