あらすじ
「もう、豊作どころの騒ぎではない。」
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麻雀大会とヤスの恋愛遍歴
トラネスの家での麻雀大会は非常に盛り上がり、ヤスが遅れて登場します。一同はヤスとタクミが同じ中学校出身だということや、お互いに親しくしていることを知り驚きます。そして、レイラも呼ぼうかという話の流れで、ヤスがその昔レイラと付き合っていたということも明らかになり、知らなかった面々は驚愕します。
「なんでこんなに気分が沈んでいくんだろう。レンがナナの元彼だって知った時はあんなに興奮したのに、ヤスとレイラのことはすごいショックだ。いくら昔のこととはいえ、あんな綺麗で才能ある子が彼女だったなんて、そりゃ私なんか眼中になくて当然だよ、比較にもならないよ。」
「世界が違うもん。ヤスが急に遠い人に思えてきたよ、でも元々ここにいる皆、凡人の私からすると違う世界の人たちなんだけど。私はナナの同居人だから仲良くしてもらってるだけだもん。」
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ノブとの買い出し
一方で奈々はヤスがレイラと付き合っていたことにショックを感じます。そんな中アパートのお酒が切れたためノブと奈々はお酒の買い出しに行きます。二人はバンドのこれからについてや、周りの恋愛の状況について語りながら買い出しを済ませます。それぞれの恋愛観を語る中で、奈々は自分とノブに恋愛観の共通性を感じ、ノブが彼氏でも良いなと思い始めます。
思い切って奈々はノブに彼氏はいないのか？と聞くと「手近キャラ募集中〜」という返事が返ってきます。アパートに戻るとタクミが帰っており奈々は悲しみますが、なんだかんだ良い１日だったとお酒を飲んで寝ます。
クビになった奈々、タクミとの再開
翌朝、奈々は二日酔いで目覚めるとすでにお昼をすぎており、急いで出勤するもクビを宣告されます。ショックで缶コーヒーを飲みながら、人生の理想と現実について思い悩みながら大通りのベンチで座り込みます。
そんな時になんとタクミから電話がきます。すると二人が近くにいることがわかります、奈々はタクミの車を発見し急いで向かいます。
「それは、ハタチの夏の始まり。空っぽの私は性懲りもなく、恋をすることでしか自分を満たせずにいた。あの頃の私には、ナナの取り巻く全てがみんな眩しく輝いて見えた。誰でも良かったわけじゃないの。同じ光の中にいたかったの。」
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みどころ
ヤスとノブとの間で揺れる奈々の心の微妙な心情が描かれている回で、また、とても切ない回でもあります。それにしても、奈々がせっかく会えたタクミとトマトについての会話しかできていないのは面白いですね。
ところどころに、その時点での奈々の心情を描くモノローグやひとり言が挟まれ、ノブとの会話やヤスに対する想いが痛いほどよくわかります。
この回のというよりも、物語全編を通して切なく悲しいクビになった奈々のモノローグは個人的に非常に胸にくるものありますね。これといって夢中になれることが無いということそのものが生々しく突きつける現実と理想とのギャップ、理想とはなんなのか解らないある種の恐怖感がよく現れていて、多くの人の共感を呼ぶシーンだと思います。
もちろん、物語なのでその後の展開は現実味の無いものですが、20歳の頃の微妙な心情をよく表しており、少し俯瞰したモノローグが胸を打つラストです。