ヒカルの碁 第七十四局 「キミの中にいる」

あらすじ

二年四ヶ月ぶり

ついに、ヒカルとアキラが二年四ヶ月ぶりに対局をします。両者とも待ちに待った対局で、気合十分です。そして、対局は序盤から激しい攻防が繰り広げられます。強くなったヒカルとアキラによる、実質的な初対局になります。

生涯のライバルそしてsai

アキラはヒカルの力に高段の棋士と遜色ない力を感じながらも、攻める手を緩めません。話はアキラの回想に移り、アキラがユン先生からヒカルとスヨンの試合の棋譜を見せてもらっている場面になります。その後もアキラがヒカルの力を間接的に見聞きする場面が描かれます。そして、回想を経てアキラは改めてヒカルの実力が予想通りであり、紛れもなく生涯のライバルである、と確信します。

激しい戦いの最中、ヒカルの衝撃的な一手が炸裂し、アキラは手が止まります。アキラは、ヒカルのその一手の中に「sai」の存在を感じたようです。アキラは、ヒカルの中に見え隠れするもう一人の存在、自分がずっと見て追ってきた存在を感じ動揺しながらも対局を進めます。

新しい波

一方その頃、出版部の天野たちは日中韓のジュニア杯の話や、囲碁界の期待の新星であるアキラの話で盛り上がります。そんなところに、天野は「進藤ヒカル」も注目すべき選手だと言い、名だたる名人や高段者がヒカルを評価していることを語ります。そして、「未来を思うと、胸が踊るなぁ」と天野は呟き、周りを驚かせ、そして出版部は大いに盛り上がります。

「sai」

手合いの休憩時間、ヒカルとアキラの対局は注目の的となっており、いつもの面々が盤上を観察します。ギャラリーが一通りいなくなった後、ヒカルは戦局を分析しますが、まだまだわかりません。ヒカルがお昼を食べに行こうとすると、アキラが「さい」と口走ります。

もう一人いる。

「君と打っていて、ネットのsaiを思い出した。」とアキラは語ります。「俺はsaiじゃねぇぜ。残念だけどな。」とヒカルは言いますが、アキラは「君だ。もう一人の君だ。」「もう一人いるんだ。君が。出会った頃の進藤ヒカル。彼がsaiだ。」「君の中に、もう一人いる。」と語ります。

みどころ

待ちに待った対局で、アキラとヒカルの激しい攻防が続きます。そんな時、ふとした一手からアキラはsaiの存在を感じます。佐為がヒカルの碁の中に確かに存在していることが、相手からも悟られます。

出版部での天野たちの話も、今までのヒカルと名人、緒方や倉田そして桑原とのやりとりの伏線回収となっており、囲碁界の新しい波がついに一般的に認められ、期待されていく様子が描かれます。

そして、手合いの昼休憩。ついにアキラが佐為の正体について看破します。出会った頃に打ち負かされ、その存在を追い続けながらも何故か掴むことのできなかった、ヒカルの中に存在するもう一人の打ち手。そしてそれがsaiであるということを確信します。なかなか鳥肌がたつシーンなのではないでしょうか。

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