ヒカルの碁 第四十九局 「捨て身の一局」

あらすじ

佐為の戦い

対局が始まって20分も第一手を打たないヒカルに、観戦部屋の話題はヒカルに集まります。塔矢名人や桑原本因坊、緒方九段までもがヒカルに注目しているとあって、和谷やオチは驚きます。

対局は佐為がハンデを課されて戦うという条件で、ヒカルと名人ではなく、事実上ハンデつきの佐為と名人という戦いになります。新初段シリーズのハンデもあるのでややこしいですが、佐為は序盤から積極的に攻めなければ勝てない条件のようです。

乱戦の向こう側、名人の勘

序盤から乱戦に持ち込む佐為ですが、対局を見ている面々はヒカルの手に驚きます。明らかに勇み足なヒカルの手筋に対して、桑原は塔矢名人の勘の良さを指摘して、勝負はまだわからないとコメントをします。そのコメント通り、名人はヒカルの石の並びに危険な気配を感じ、荒れた碁に見えるが奥が深いこと、ヒカルに感じる不思議な気配を感じ取ります。

対局はヒカルの惨敗という結果に終わりましたが、桑原は「ヒカルが自分に大きなハンデを課していたと考えると対局内容の納得がいく」という本質に迫るコメントをアキラに残します。にわかには信じられないとアキラは戸惑います。

次は互い戦だ

対局ご、塔矢名人は「なんのハンデも無しに打ちたかった」「君の持つ何かは隠しきれない」という発言をします。佐為のハンデのことや、佐為の存在をも掴みかけていることにヒカルは驚きます。「この次打つときは互い戦だ!」というコメントに佐為は誇らしげに「ええ、いつか」と声にならない返事をします。

アキラと桑原は感想戦の後で少し話をします。アキラは自分がヒカルと出会った時に感じた圧倒的な強さと、その後の対局で全く別人のような弱さだったことを桑原に語ります。そして、「俺の幻影を追っていると本当の俺に足元をすくわれる」という発言を桑原に聞かせます。桑原は、ヒカルをプロの世界に来させたのは君だと、アキラに言い名前を覚えておこうと語ります。

ヒカルとは何者なのか

アキラは取材終わりの記者の人に会うと、そこで名人がヒカルに「次は互い戦だ」と語ったと知らされ、ますますヒカルに対する謎を深めます。 

帰宅後、ヒカルと佐為は塔矢名人の凄さを語ります。ヒカルはいつかはなんとか塔矢名人と互い戦をさせてやりたいと言いますが、何かに焦る佐為はいつになるのかと詰め寄ります。一方のヒカルは自分にとっての大切な一局が佐為のわがままで潰されたと語り不機嫌になり、二人の関係は複雑になっていきます。

一方の塔矢名人の家では、アキラが名人に直接ヒカルに次は互い戦で対局をしようと言ったのかどうか確かめます。名人はそうだと認め、アキラは再びヒカルとは何者なのかを考えるようになります。

みどころ

対局はヒカルの惨敗になりましたが、それ以上に桑原と塔矢名人の勘の鋭さが際立つ回です。囲碁はその人をよく表すと言われていますが、塔矢名人のヒカルの碁への分析やモノローグはすごいですね。物語を本人の自覚無しに達観する桑原の存在もなかなか興味深いです。

対局に対する大御所のコメントと院生たちのコメントの差もまた見事に描かれています。

登場回数こそ多くないものの、塔矢名人が「次は互い戦だ」と発言する佐為の背景や光の演出などが非常にドラマティックで素晴らしいなと思います。こういう演出はこのアニメの魅力の一つだと思います。

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