ヒカルの碁 第四十八局 「佐為VS名人」

あらすじ

佐為の頼みと不安

ヒカルの新初段シリーズの対戦相手が塔矢名人になり、佐為が自分に打たせて欲しいと頼むところから話はスタートします。自分の知り合いのみならず全国に対局が見られる他、新初段に逆コミのハンデがある対局なら佐為が勝ってしまいヒカルは面倒に巻き込まれると頼みを拒否します。

いつになったら自分に打たせてくれるのか?と興奮する佐為に対してヒカルは、以前の佐為が言っていた自分には時間が永遠にある、ヒカルの死後にまた別の人に取り憑けば良いのだという理論を持ち出します。その場では納得する佐為ですが、何らかの違和感を感じます。ヒカルの「三人目に取り憑いたやつに打たせてもらえよ」という発言を聞き佐為は自分にもう打たせてくれないのだろうと不安になります。

対決、塔矢名人

新初段シリーズの当日、棋院の観戦部屋にはヒカルに興味を持つ桑原本因坊と緒方九段が対峙します。そんなところに、和谷と越智が入ってきます。囲碁界の大物二人がヒカルに目をつけているのかと議論しているとアキラが入室します。一同がヒカルに注目している様子が明らかになります。

ヒカルと塔矢名人は記念撮影を終え、対局場に向かいます。そんな中で、名人は自分がヒカルを対戦相手に指名したこと、アキラが見にきていることを語り、力を見せてもらおうと言います。 

ヒカルが幽玄の間に入ると、なんと佐為が名人の向かい側に座り始めヒカルは動揺します。一方の観戦部屋ではヒカルが期待されていることに対して、越智と和谷は驚きアキラは対局を楽しみに待ちます。

ヒカルの葛藤と決断

ヒカルに着席を促す声に対して佐為は悲しそうにその場を譲ります。ヒカルは佐為に打たせるか自分で打つか葛藤します。そして15目のハンデがあると思って打たせれば佐為の力がバレないだろうと考え佐為はそれでも対局したいと言います。

対局が始まり20分経っても第1手目を打たないヒカルに対して、観戦部屋の人たちは様々な憶測をします。長考の理由は佐為が15目のハンデで勝つにはどうしたら良いか?を考えていたからであり、その戦いは相手を全滅させるが自爆するかのどちらかだと覚悟を決め佐為は1手目を打ちます。

みどころ

ヒカルの新初段シリーズがなんと塔矢名人との対局となり、名人と対局して神の一手を極めたい佐為と、プロとしての大事な戦いを佐為に任せるわけにはいけないというヒカルとで衝突が起こります。

佐為とヒカルの関係、ヒカルのプロとしての歩みなどの大きな変化と緊張が物語全体を少しシリアスなムードを帯び始めます。

囲碁界の大御所がヒカルに注目していることに対する和谷や越智の反応が面白いですね。和谷の「俺たちの同期で、ライバルで、仲間」というヒカルに対する言葉がなかなか泣けます。

幽玄の間での佐為とヒカルの緊張は驚くものがあります。佐為の執念が感じられる一方、ヒカルの葛藤も感じるなかなかハラハラする場面です。そして結局、佐為がハンデを課されて対局するということで落ち着きますが、後々考えると誰も幸せにならない選択だったのかもしれませんね。

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