ヒカルの碁 第六十六局 「運命の出会い」

あらすじ

またまた番外編

例のごとく、ミニチュアの佐為が出てきてこの話の説明をします。どうやら、ヒカルとアキラが出会う小学六年生の「あの時」の話だとのことです。が、佐為の出番はないらしく、佐為は落ち込みます。

あの頃のアキラ

この第六十六話では、ヒカルと出会う前のアキラの様子が描かれます。同年代に自分と対等に渡り合えるほどの実力を持つ子供がいないアキラが、どのような子供だったのかがわかります。素直で優しく決して自分が強いことをひけらかさない、控えめな人物です。

もうすぐプロ試験を受けるであろう自分だが、なんとなく自分が今のままプロの世界に入るのは不満なのだとアキラは思い、自分にはライバルと呼べるような誰かが必要なのかもしれない、とアキラは自問します。

子ども名人

その頃、とある社長室で子供が社長と思しき人物相手に指導碁のようなものを打っております。子供は、磯部秀樹と言いかなり横柄な態度で須賀、こども名人戦の優勝者であり実力ある子供のようです。社長らしき人物はタイトルを褒め称えますが、磯部は表彰式の後で塔矢アキラの噂を聞いたことや、表舞台には出てこないくせに影で威張っているような人物でいけ好かないと語ります。

その社長が、駅前の碁会所が塔矢名人が経営していると磯部に教えたことで、磯部は例の碁会所に興味を持ちます。そして、まっすぐに碁会所へと向かい、アキラを見つけ対局を持ちかけます。

「お前に勝ちに来たんだ。みんなに僕の力を認めてもらうにはお前に勝たないと」と言って磯部はアキラに挑みます。アキラの屈託のない素直すぎる様子に磯部は驚きます。が、対局が始まるとアキラの表情が一変しているのに気づき戦慄します。

決意と出会い

対局が進むとアキラの表情は冷めたものとなり、大したことないなと寂しそうに思います。圧倒的な力の差で負けてしまった磯部はそそくさと帰ります。寂しそうに碁石を片付けるアキラに、芦原は「さっさとプロになれよ」と言います。

場面は、アキラが父である塔矢行洋と打っている様子に移り、名人がアキラを褒め、アキラが本当に嬉しそうな表情になる様子が描かれます。碁会所に行くと、なんだか嬉しそうだと言われ、父親が褒めてくれたのだとアキラは語ります。そして、周囲からも父親からも自分は期待されているのだと認識し、心踊らせプロになる決心をします。

迷わず囲碁の道を進もうと思っていた矢先、ヒカルと出会います。

みどころ

ヒカルと出会う前のアキラがどんな子どもだったのか?ということが描かれる番外編です。結論から言うと、アキラめっちゃいい子です!絵に描いたようないい子すぎてビビりますね。

そんなアキラが囲碁の英才教育を受けてきたがゆえの悩みを抱えていることがわかります。周囲の芦原などはそれに気づいているようで、早くプロになってしまった方が良いとアキラに力説する様子も描かれます。

名もなき挑戦者との対局で虚しさを感じるアキラの生きがいは父親との対局なのでしょうか、父から褒められたアキラは子供らしい純粋な喜びに満ち溢れている様が印象的です。

そして、囲碁のプロへの道を進もうと決心した矢先に懐かしのヒカルが登場します。こんな背景、こんなストーリーの文脈にヒカルが現れたのかと思うと、なかなか興味深いですね。番外編というよりアキラのスピンオフという感じですが、ストーリーをより一層深くしてくれますね。

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