ヒカルの碁 第四十六局 「プロ試験最終日」

あらすじ

攻勢をかける越智と盛り返すヒカル

プロ試験最終日、対局はまだまだ続きます。一気に攻勢をかける越智に対して、ヒカルは強気の碁を展開します。攻め急いだ越智のスキをヒカルは見逃さず、ピンチから五部へと戦局を盛り返します。

佐為は見えないアキラに、これが今のヒカルの実力であると言います。そして、二年前打ったのは自分であり、アキラはヒカルの中に佐為とヒカルの二人を見ているのだと語ります。ヒカルとは何者なのか、ヒカルの中のもう一人とは誰なのか?という問いに答えるのは佐為自身を吸収して成長していくヒカルであると語ります。

合格者たち、ヒカルの勝利

夕方になっても和谷とフク、ヒカルと越智の対局は終わらず、伊角はひたすら結果を待ちます。そして対局室のどよめきを聞き伊角は和谷が勝利したことを悟ります。そして伊角の元には二回目のどよめきが聞こえてきます。動揺した伊角はお茶をこぼします。もしヒカルが負けているのであれば三位決定のプレーオフのため誰かがその旨を伝えに来るはずだが、誰も伊角の元には来ません。そして、伊角はヒカルの勝利を悟り不合格となり打ちのめされます。

その日の夜、アキラは越智の家に赴きます。越智とヒカルがどういった対局であったのか知りたいと来訪の旨を伝えますが、越智はこれを拒否します。そしてアキラはヒカルの力は自分の目で確かめよう、プロの世界で待ち受けようと決意します。

ヒカルのこれから

ヒカルは厳しい戦いを制しプロになりますが、母親も中学の担任の先生もイマイチどういうことなのかサッパリよくわかりません。進学についても決めてないようで、ヒカルの親は和谷の両親や担任の先生と相談しつつヒカルの将来について考えるようです。

学校でヒカルは三谷に遭遇します。通常営業の三谷は「せいぜい頑張りな」とクールに祝福します。ヒカルが囲碁部を外からこっそり覗くと、部内はヒカルのプロ試験合格の話で持ちきりです。しかし、囲碁部は囲碁部で楽しくやっているようで、女子は大会への意気込みも十分、三谷が久々に来訪して大将と呼ばれるなど、ヒカルが顔を出す幕はなく少し寂しそうにヒカルはその場をそっと去ります。そして、プロの世界に飛び込む覚悟と決意を新たにします。

みどころ

越智とヒカルの対局はなかなか見応えがありますが、その行方は最後までは描かれず、伊角の聞く歓声という形で幕を閉じます。そしてその対局はついにアキラも見ることはできないという点が、ドラマティックさを盛り立てます。

アキラに対する記者の人の発言から、アキラが若手プロの中でも圧倒的な才能を持ち、大きな期待を寄せられていることがわかります。

伊角と和谷とヒカルの運命は、伊角の視点で描かれます。和谷かヒカルのどちらかが負ければプレーオフで三位決定戦となる伊角の、痛々しいまでの緊張と不安が描かれます。なかなか凝った演出も合間って非常に印象深いシーンです。雨の降り始め、こぼしてしまうお茶、誰も呼びに来ない休憩室、そして雷、シリーズの中でも名シーンの一つです。

プロになるヒカルの周り、両親や中学の先生の不安やドタバタっぷりはかなり面白いですが、なかなか大変なのだろうと思われます。そして、久々の三谷はやはり三谷でしたね。囲碁部が盛り上がりを見せる中での、ヒカルの切なさが胸を打ちます。

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