ヒカルの碁 第四十四局 「起死回生」

あらすじ

ヒカルの長考と本田の敗退

プロ試験第26戦、和谷とヒカルの対局は和谷が有利で進みます。ヒカルが長考する中、四敗のままわずかに合格の望みを繋いでいた本田は負けてしまし、泣きながら対局場を後にします。合格の枠は残り二つ。和谷と伊角とヒカルの三人のうちの二人が合格します。

ヒカルの黒の生きる道はどこにもないと考える和谷は、ヒカルを迎え撃つ覚悟をします。ヒカルは「佐為だったらどうするか?」と考え自分が和谷だったらどうなるか?と立場を変えて考え、手を打ちます。和谷はその手は想定内だとして向かえ打ちます。しかし、手が進むと和谷の想定外の展開となり、勝負の行方はわからなくなります。

起死回生の筋

和谷の脳裏には師匠からの激励の言葉がちらつきますが、力及ばず和谷は投了します。佐為はヒカルが完全に和谷の上を行ったと分析します。対局後、和谷は1組での最初の対局の時に「いつかsaiみたいに強くなるかも」と言ったな、とヒカルに問い、「今日の一局はsai並だったぜ」と静かにヒカルを讃えます。

越智はこの日も勝利しトップ合格が決まります。しかしアキラはヒカルに執着し続けます。越智はアキラに、もし自分がヒカルに勝ったら自分をライバルだと認めてくれ、塔矢名人の研究会に入れてくれと頼みます。アキラは動揺しますが、それを快諾します。

残り二枠の争いへ

翌日の最終戦、飯島と奈瀬は合格者が誰になるか展開を予想します。和谷は苦手なフクが相手なのでプレッシャーもかかり不利で伊角と和谷のプレーオフになると予想しつつも、越智はヒカル相手に手を抜かないだろうが正面からぶつかれば五分五分だろうと予想します。伊角が勝ち、和谷とヒカルが両方とも負けると四敗で並びプレーオフになります。

対局場に向かう途中、越智は「今日は負けないよ」「君を倒すために毎晩のように塔矢と打ってきた」と言い、ヒカルは驚きます。

みどころ

緊張感のある和谷とヒカルの対局ですが、地味に本田の敗退シーンは泣けますね。泣ける名シーンとしてあげる人もいるくらい印象的な場面です。涙をボロボロ流す本田に対してのバスの運転手さんの優しい気遣いにも泣かされる、心動かされるシーンです。

そして、和谷とヒカルの対局はなんと、佐為が見出した一筋の道をヒカルが自ら発見し、起死回生の道を切り開くことでヒカルの勝利で終わります。和谷が師匠の激励の言葉を思い出す場面、そして今日の強さはsai並だったというシーンは的ながらかっこいいですね。というか、和谷は全体的に男としてかっこいいキャラですよね。

越智はトップ合格を決めますが、アキラは依然として厳しさを崩しません。越智の生意気な要求をも受け入れるアキラの懐の深さというか、ヒカルへの執着は本当にすごいです。

そして、最終戦は複雑な戦いになります。プレーオフになると色々と厄介なのですが、いずれにせよ、残り二枠を伊角和谷ヒカルの三人チームで争うこととなります。

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