ヒカルの碁 第三十八局 「挑戦者たち」

あらすじ

椿との対局と参加者の実情

六連勝中のヒカルは第七戦で宿敵の椿との対局です。緊張をほぐすためかヒカルに話しかける椿ですが、それをヒカルに指摘され緊張しながらも余裕を見せるヒカルに驚きます。

休憩時間、プロ試験にまつわる悩みやプロを目指す人生の苦労話などが交わされます。ちょっとした場面にこうした囲碁業界の現実が描かれるのがこのアニメの面白いところです。皆それぞれの事情と決意を胸に参加していることがよくわかる場面です。そしてヒカルは椿を相手に勝利します。

アキラの企み

第9戦を終えて、和谷が一敗となり他の三人は九連勝を貫きます。越智はヒカルとは最終戦で戦うこととなりますが、それは気にせず、プロになった後で戦うことになるであろうアキラの指導が始まると意気込みます。そしてアキラはヒカルのことを考えプレッシャーを感じながら指導に向かいます。

アキラは越智と対局し彼が自分ほどの力を備えていないと看破し、それではヒカルの実力を間接的に推し量ることができないと考えます。しかし、越智とヒカルが戦う1ヶ月半後までに越智の力を引き上げようと画策します。

アキラが話題をヒカルに持って行こうとすると、越智からヒカルが今日一敗したと聞かされ動揺します。アキラがヒカルに興味が持っている様子を見て、ヒカルがアキラのライバルだったという噂を思い出します。

越智の激怒

アキラは越智をヒカルと対局するまでに鍛えたいと思い、プロ試験が終わるまで指導をすることを提案しますが、越智はアキラが自分をヒカルの実力を測る物差しにしたいのだと見破り激怒します。そして、アキラなんかに鍛えられなくても自分はヒカルに勝てるし、いつか自分がライバルになってやる、もう来なくて良いとアキラを帰してしまいます。

伊角と本田は院生の中でも年長者で、お互い将来の不安や諦める潮時について語ります。そして、これから当たるであろう成長の著しいヒカルについても考えます。周囲の人やヒカルと戦った面々がヒカルの変化を語るのもあり、二人は緊張し奮起します。

伊角との対局へ

兄のように慕う伊角との対決とあって、ヒカルは心なしか緊張している様子です。越智は伊角がヒカルに勝つと確信しており、アキラはヒカルを買いかぶりすぎていると分析します。そして出入り口でヒカルと伊角が対峙してエンディングになります。

みどころ

ヒカルの成長の様子がよく描かれていて、ジャンプらしい展開を見せます。椿に対するやりとりや言葉の応酬は大したものです。そして、この話では囲碁のプロを目指すものたちの苦労も描かれます。プロ試験の2ヶ月間毎週休みをもらうことなど企業では不可能に近く、フリーターをやっている人物や、囲碁以外の勉強はさっぱりやって来なかった飯島といった厳しい現実と向き合う人たちが描かれます。決して囲碁業界の楽しい面だけを描くわけでなく、かなりリアルなところを描いていて大変興味深いです。

ヒカルの勝敗や躍進の裏で動く越智とアキラのストーリーはいきなり波乱の幕開けとなります。アキラがヒカルの力を測るために越智を利用するところや、越智がそれに気づきプライドを傷つけられ反発するところなど、非常にみどころが多いです。

これまで、視聴者は間接的にヒカルの力とアキラの力を比べてくることができたわけですが、ここに来て一足早くプロになったアキラが越智を使って間接的にヒカルの力を推し量ろうとする、メタ的な展開が本当によくできているなあと感心させられます。

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