ヒカルの碁 第二十七局 「時々戻りたい場所」

あらすじ

久しぶりの葉瀬中囲碁部

なかなか連勝できずにいるヒカルは、ふと葉瀬中囲碁部を思い出します。久しぶりに囲碁部に立ち寄ったヒカルは、三谷が来ないことなど囲碁部の現状を聞かされます。ヒカルは、せっかくなので自分が三面打ちをしようと提案しますが、三谷を気遣うアカリから、もう来ないでくれと言われます。しかし、今日一回だけとヒカルは無理やり三面打ちを開催させます。

三谷の嘘

三面打ちの賑やかな音が聞こえる理科室の前を三谷が通ります。雰囲気を感じたアカリは三谷に声をかけ、ヒカルが囲碁部にいることについて弁解しますが、三谷はノートを忘れただけだと言います。嘘だというアカリに対して三谷は証拠を示すかのようにノートの所在を言い当てます。

しかし、その日は理科の授業などなく、三谷は寂しそうに帰路につきます。ノートは囲碁部の様子をみに来るための口実だったことが明らかになります。

翌日、囲碁部のポスターを見た三谷は一年前を思い出し、囲碁部には男子の新入部員がやって来ます。夏目は男子の大会に出るために、三谷を大会の大将にしようと教室に駆け込み説得しますが、三谷はきっぱりと拒否します。

金子と三谷

部室である理科室での授業で三谷は部員の対戦記録を発見し、自分の分の対戦記録のノートがある事に驚きます。思い直した三谷は放課後、大会には出ないけど練習なら打ってやると言い部活に現れます。すると、バレー部と掛け持ちしている実力者の金子さんが現れ三谷と対局することになります。

独特の雰囲気と、遠慮のない挑戦的な金子さんに三谷は対抗心を燃やします。なんとなく不思議な波長のコンビが出来上がり、囲碁部に平和と活気が出て来ます。

みどころ

三谷と金子さんのコンビが本当にツボですね。時々戻りたい場所だけど、戻ってはいけないという切なく難しい感覚をよく表している回です。三谷を気遣うアカリの説明はさすがですし、それで引き下がらないヒカルもさすがですね。

この回の大きなポイントは三谷のついた巧妙な嘘とほころびでしょう。気になって囲碁部の部室まで足を運んでいること、ヒカルがいると気づきわざと音を立てて存在を知らせるなど、中学生らしいといえば中学生らしい振る舞いがよく描かれています。

結局、理科のノートを忘れたという嘘はバレてしまうのですが、最終的には新入部員も入り、平和に丸く微笑ましい結末になります。中でも、金子さんと三谷とのやりとりは非常に面白く、ヒカルと佐為と並んで私が好きなコンビの一つです。

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