あらすじ
両立できない囲碁部とプロへの道
院生になるには囲碁部を辞めなきゃいけない、辞めなくても大会には出られないという事実にヒカルは呆然とします。大会に出るためと囲碁部に入部させられながらも囲碁部に協力的になっていた三谷をはじめ、葉瀬中囲碁部は動揺します。そんな中、将棋部の加賀が議論に参加します。
加賀の意見とヒカルの意志
中学の大会なんかよりも大きい目標ましてや塔矢アキラを追うなら、一刻も早く本格的に囲碁の世界に入って勉強しなければいけないと知っている加賀は、院生になることを後押しします。
意思表示のはっきりしないヒカルをよそに、加賀は「続けるもやめるも個人の自由だ」と言います。三谷と加賀は口論になり三谷も部活なんかやめてやると怒り始めます。機転を効かせた加賀は、ヒカルに自分・筒井・三谷相手の三面打ちを提案します。それによってヒカルを後押しするとともにケジメをつけさせるためです。
決別の三面打ち
ヒカルの「院生試験に落ちたら大会に出させてほしい」と言う発言に対して三谷は怒り、加賀も「勝手に出ていくお前が都合のいいことを言うな」と釘を刺します。
慣れない多面打ちにヒカルは苦しみますが、ヒカルは筒井に勝ち三谷にも勝ちます。しかし加賀にはおよびません。ただ、多面打ちでこれだけ打てるなら院生試験を受けても問題ないだろうと言います。
そして、ヒカルは試験に必要な棋譜を書くと言い、たった今打った三面打ちの対局を全て覚えており棋譜に残すくらい簡単だと言い周りを驚かせます。
いよいよ試験の日、何も知らない母親とヒカルは日本棋院に行き、試験を受けます。棋譜を見た試験官はその雑な対局ぶりに呆れますが、対局が始まります。
みどころ
大号泣回として定評のある回です。ヒカルに対する三谷の怒りが泣かせます。無理やり囲碁部に入れさせられた事を引き合いに出しながらも、本当はヒカルともっと碁を打って、一緒に大会に出たいと言う思いを感じさせます。
三面打ちの仕掛け人である加賀も重要な役割を演じています。ケジメとしての三面打ちのために対局を囲碁部とヒカルにとって意義のあるものにしようというなんだかんだカッコいい人物です。
切なげなBGMとともに対局が終局していく三面打ちシーン、三谷の「負けました」は何度見ても泣けますね。
ネット碁の会で出てきた和谷が登場し、ヒカルの合格を予想します。一方ヒカルの母親の、「あの子、試験に落ちるわね」という分析も面白いです。