あらすじ
「決して深くは考えないようにして曖昧に誤魔化し続けてきた問題に、向き合わなければいけない時が来てしまったんだと思った。」
メール
シンの元にはレイラからの返信、奈々の元にはノブからのメールとそれぞれの目覚めが描かれます。奈々からの来ない返信を待つノブを見たシンは深くは問い詰めず、ここの星空が綺麗だと語ります。
レイラのシンへの返信もまた、自分の寂しさや人生に対するやるせなさを、シンの言葉が救ってくれているという内容で、二人の関係は離れていながらも親密になっていく様子が描かれます。
タクミの挨拶と家族
一方の、奈々の実家にはタクミが挨拶に来ます。ロンドン土産を持参しながら、礼儀正しい様子で奈々の父親と会話をします。一人称が「僕」であることにナナは動揺しますが、タクミはしなやかに挨拶をします。
話はタクミの家族の話になります。タクミは母親が他界したことや姉が子供と父親と暮らしていると語ります。そして父親がアル中であることや、結婚式に呼ぶつもりがないことを語ります。そんな中、ナナは以前言われた、「父親がダメなら子供もダメになる、俺がその例だ」と喧嘩した時に言われたことを思い出します。
寂しいレイラ
一方のロンドンでは、レイラがバンドメンバーやマネージャーが寝静まった後、レンがバスタブでうずくまり寝ているところを発見します。レイラは手慣れた様子で「いつものこと」と言いながらレンを抱きかかえます。
レイラはシンにライターを置いて来たことを後悔していることや、日本に帰ったら会いたいというメールを送ります。そして、偽らずに誰かと見つめ合うことは、自分自身を見つめることでもある、私は負けたくない、とメールで何かの決意を綴ります。
寮生活スタート
ブラストの面々は事務所の寮に入ることになり、ナナはその設備に悪態をつきます。ナナはレンに連絡を取ろうと思い電話をしようと思いますが、電話したところで何を言えば良いのか?中途半端に構われるのも釈然としないと思い悩みますが、ふと胸の苦しさを感じます。
エレベーターを降りるとノブが隣の部屋のAV女優と話しているところに遭遇し、寮も男女混合なんてどうなっているんだと言い、ナナは怒り始め、強制的に自分とノブの部屋を交換します。
決裂と発作
部屋でナナは、「ハチを取り戻す作戦を忘れたのか、他の女と交わるな」と詰め寄りますが、ノブは「ハチとバンドは何の関係もないし、自分はハチのことは諦めたんだ」と言います。するとナナは「じゃあ、何のために戦うの?」と静かに取り乱し取り乱し様子がおかしくなります。
「愚問だ。私たちは自分たちの音楽をプロとして認めてもらうために戦うんだ。ハチは関係ない。ノブが誰と戦おうとノブの自由だし。でも、じゃあ私とハチはどこでどう繋がっていればいいの?私はあの家には帰れないし、ハチはもういないのに」と自問自答で苦しみ、過呼吸状態に陥ります。
シンが救急車を呼ぶ間、駆けつけたヤスの胸の中でナナは発作が収まるのを待ちます。すると隣の謎の女性が「過呼吸じゃないか」とコメントし去っていきます。
「ねえ、ハチ。もがけばもがくほど沈んでいくなんて、人は虚しい生き物だよ。私は、生まれ変わるなら魚がいい。狭い水槽の中で、レンと二人だけで泳ぐの」
みどころ
トラネスは帰国、ブラストは合宿が終わり物語が地理的にまた一歩進む段階になります。それぞれの物語と並行して、シンとレイラの物語がメールという媒体によって動いていくのが非常に面白いです。
会えないけど連絡が取れる、という独特な状況や雰囲気の中での愛し合う二人のやりとりは本当に切なく情熱的で魅力的です。
一方のタクミの奈々の実家訪問は円満円滑に進みます。面の皮の厚いタクミらしい訪問になります。しかし、タクミの複雑な家庭事情から結婚式は奈々の両親のみの参加になることが決まり、また奈々はタクミの事についてよく知らなかったことを改めて認識することとなります。
さて、今回の後半でついにナナは発作を起こします。ストレスや疲れだけでなく精神的な要因が引き起こしたことと言えますが、引き金はやはりノブとの会話でしょう。
奈々をめぐる、ナナの精神的な空まわりが引き起こしたノブとのすれ違い、ノブの正しさと自分の異常さを自覚してしまったことが、大きな動揺となりナナを襲う事になります。