あらすじ
「その、空っぽの部屋を見たとき、この世に自分しかいない、ひとりぼっちの世界に迷い込んでしまったような気がした」というナナのモノローグからスタートです。
奈々の引っ越しと周囲の反応
ジャクソンバーガー語られる奈々が白金台に引っ越したという淳子の報告によれば奈々は数ある候補地から若奥様の憧れである「シロガネーゼ」になるべく白金を選んだのだろうとのことで、京助からそれを聞いた章司は衝撃を受けます。
奈々の新居の家賃を聞き、章司はそれが超有名人なのではないかと言いますが、淳子と京助はまともに取り合いません。が、この時は章司の方が核心をついていて面白いですね。
タクミとナオキと新居
一方のタクミの方は新居にナオキを連れてきます。柄にもなくナオキが「虚像と現実と理想について」語りますが、案の定ツッコミどころ満載のおちゃらけぶりです。新居と奈々に感動したのか、ナオキはご飯を食べることにして、奈々の腕前についても絶賛します。
二人の仲睦まじい様子を見たナオキは満足したのかそそくさと帰ります。奈々はナオキの意外な性格に驚き驚きつつも仲良くなれそうだと語ります。鈍感なナオキはその偵察情報をレイラに伝え、ハチ子が良い子だった事や二人がうまくいきそうだだとメールを送り、レイラは「安眠妨害!」と言って泣き出してしまいます。
シンの悟りと決意
お風呂上がりの奈々の元にシンから電話がきます。シンは花火の思い出について楽しかったと語り、またみんなで花火しようと言いますが、奈々は「私は裏切り者だからもうみんなに合わす顔がない」と泣き出します。「僕は何があってもハチの味方だよ」とシンが言った矢先、タクミが部屋に入ってきて会話は中断されます。電話越しとはいえシンは奈々とタクミ、そしてノブに何があったのか全てを悟ります。
シンは河原の道を歩きながら、レイラに思いを馳せます。そして、レイラとヤスの関係やそれに対するヤスの発言を思い出し、自分は辛く悲しんでいるレイラの支えになろうと、ノブの家に寄りアコギを抱えてレイラの元へ向かいます。
熱烈ラブレター
「ナナへ、勝手な事ばかりしてごめんなさい。ナナはもう私を許してはくれないと思うけど、ナナと暮らした半年間のこと、私は絶対に生涯忘れません。このままナナに会えなくなるのは、どうしよもなく寂しいけど、私は誰に恋していても、私にとってのヒーローは、ナナだけだよ。ナナほどかっこいい人は他にいないから。今までも、これからもずっと」
そんな手紙をアパートで拾ったレンは、悲しみにくれるナナに「これは別れの手紙じゃない。熱烈ラブレターだ」と慰めます。「奈々に会ってやれよ」というレンに対してそんなの理不尽だとナナは言いますが「ヒーローとはそういうもんだ」と静かにレンは諭します。一方のシンはノブの家でレンに言われた「流し」としてレイラの元へ歌いにいきます。
「ねえハチ、人はどんなに繰り返し傷つけ会っても、誰かを愛する思いは無駄じゃないよね?あの時、あんたがくれたラブレターは、今も大切に持っているよ」というナナのモノローグで幕を閉じます。
みどころ
久々に出てきた京助淳子そして章司とジャクソンバーガーが奈々の引っ越しと結婚相手について議論をするシーンは、章司が核心をついたコメントをしていて非常に面白いですね。
タクミと奈々の新婚夫婦の様子もナオキを通して描かれますが、幸せそうで何よりという感じ。ただ、それをレイラに報告してしまうナオキのデリカシーのなさには少々ドン引きしてしまいますね、悪気はないのでしょうけど。
今回、描かれる人物で印象的なのはシンとレイラ、レンとナナでしょうか。どちらも愛する女が辛い時に寄り添う大切さを知り、実際に側に行って支えてあげようとしています。シンとレイラはヤスの回想と後悔を通して、レンとナナは奈々の置き手紙を通してそれが描かれ、非常にドラマティックに二組の男女の様子が描かれます。
人物描写もさることながら描写も美しく、あまり話題に上がりませんが神回の一つであると私は思います。