ヒカルの碁 第六十二局 「広島最強棋士」

あらすじ

広島最強棋士

秀策巡りに行った広島の碁会所で、ヒカルと同行していた河合が何やら騒ぎを起こしています。どうやら河合が巨人ファンだということで広島のカープ贔屓の客と揉めているとのことです。

河合の口論の相手は周平というかなりの実力者で、ヒカルの姿を見た周平はプロであるヒカルと対局したいと申し出ます。そして、ヒカルが勝てば河合が負っている五万の前をチャラにしてやると言います。周平は国際アマチュア囲碁大会の日本代表となる人物で、アマチュアの日本一とも言われる人物とのことです。

東京の墓

対局が始まり、ギャラリーが集まって来ます。周平が黒でヒカルが白となりますが、ヒカルは気乗りがしません。河合が地元の人から広島に来たわけを聞かれ、秀策巡りで墓にも行ったと答えると、秀策の墓なら東京にもあると言われます。秀策は幼少期は因島にいましたが、その後は江戸を中心に活動していたからです。それを聞いたヒカルは佐為がそこにいるかもしれないと思い、早く東京の秀策の墓に行きたいと思い始めます。

怒涛の早打ち

早く東京に帰りたいと思ったヒカルは、凄まじい早打ちをし始め、周平の打つ手に対してノータイムで打ち始めます。賭けがかかっている河合は焦り、周平のも挑発されますがヒカルは早打ちをやめることなく、的確に試合を進めます。

周平はヒカルの実力を悟り、勝負手をかけますが鮮やかに反撃されヒカルの強さに衝撃を受けます。どうやら、周平が考えている時間はヒカルも同じように試合の展開を考えており、それが驚異的な早打ちを可能にしているようです。

帰路へ

圧倒的なヒカルの強さを前に周平はなすすべもなく投了します。満足のいく試合展開で対局を終え、いつもいる佐為にコメントを求めるヒカルですが、隣に佐為の姿はやはりありません。ヒカルは秀策の墓が巣鴨の本妙寺にあると聞き、帰ろうと河合に言います。

そんな二人に対して、周平は車で駅まで送ってやると申し出ます。荒っぽい運転をしながら、周平は夏の大会で上京するからその時また対局しようとヒカルに言います。

本妙寺

巣鴨についたヒカルはすぐに本妙寺の墓に行き、名前を叫びながら佐為を探します。夕暮れになっても佐為を見つけることはできず、何か探してたのかと河合は問います。そして、碁のことなら棋院にあるんじゃないのかと言います。心配する河合をよそにヒカルは帰宅します。

再び棋院へ

自室に戻り佐為の名前を呼びますが、やはり佐為は現れません。疲れ切ったヒカルですが、河合の発言を思い出し棋院に向かいます。しかし、やはり佐為の姿はありません。ヒカルは佐為が自分が消えると言っていた事、自分がそれを気にもしなかった事を思い出します。そして、佐為が消えるなんて事を考えたこともなかった自分に気づきます。

悲しみにくれた表情で棋院をうろついていると、職員に出くわしたヒカルはどこかお化けが出そうな場所はないかと聞きます。「あそこなら出るかも」という発言を聞いたヒカルは興味を抱きます。

みどころ

広島での一悶着の話ですが、ヒカルが戦うその相手が日本のアマチュアのトップであるというのが熱いですね。秀策の痕跡を追っていく旅でのドラマティックな演出です。さらっと出てくる巨人とカープの対立も興味深いところです。

佐為を探すうちに、ヒカルは佐為が消える前に言っていたことや、それに対して自分がまともに取り合わなかったこと、佐為の存在はいつだって当たり前だと感じていた事を認識するようになり、切なさややるせなさが高まります。

東京にも秀策の墓があるという事で、本因坊秀策がどれだけ囲碁の世界で重要な人物であるのか、どれほど優れた人物であったのかが伺えます。シリーズの最初の方では何度かピックアップされますが、今後の展開を意図してか、改めてその存在感を浮き彫りにするところが面白いですね。

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