あらすじ
十段戦
棋院にて、王座戦本戦の1回戦で倉田が勝利し、今年のタイトルへの意気込みを語ります。そして、同じ時間に行われている塔矢名人と緒方九段の十段戦の対局の様子を事務所に探ります。棋譜を見た倉田は、名人がらしくない手を打っている、何か心境に変化があったのかとコメントします。
そして、翌日ヒカルは新聞で塔矢名人が負けたということを知りショックを受けます。saiと戦って疲れが出たのか、自分のせいで名人が負けたような気がしたヒカルは気に病みますが、佐為はそんなことはないだろう、棋譜を見ればわかるだろうと慰めます。
そんな佐為の発言を聞き、ヒカルは最近様子がおかしかったが、いつもの佐為に戻ったようだと言い、佐為は複雑な気持ちになります。
倉田との再開、名人の戦い
帰宅途中、ラーメン屋に寄るとそこにはなんと倉田がいます。ヒカルがラーメンを頼むとなんと倉田も(何杯目かはわかりませんが)ラーメンを頼みヒカルは驚きます。ヒカルは昨日の十段戦を棋院に行けば見れるか?と聞くと、倉田は見たぞと言い塔矢行洋らしくない碁で、バランスが持ち味の名人らしくないタガの外れた碁だったと語ります。
ヒカルがひどい碁だったのかと聞くと、倉田はタイトル戦の最終曲なのに面白い手をバンバン打っていて感心するいい碁だったと賞賛します。結果は負けたけど、碁が若くなってて、あの年で自分を変えられるなんて凄いと倉田は名人を讃えます。
アキラの話題になり、倉田が先月勝利したと語ります。どうやら本因坊戦は三次予選まで駒を進めており、低段者の中では敵なしとのことで、ヒカルは焦ります。
挑発
ラーメンを食べた後、ヒカルは倉田と対局をしたいと言い誘いますが断られてしまいます。挑発すべくヒカルは「僕が勝ったら倉田さんのサインちょうだい!俺なんかが倉田さんに勝てるわけないけど、タダで欲しいなんて言っちゃいけないくらい価値のあるものだと思うんだよね!」と言い「しょうがないなあ」と倉田は了承します。二人ともバカですね。
早速対局しようとすると碁石が両方とも白になってしまっていて、ヒカルが交換しようとすると倉田は、「一色碁」をやってみようと提案します。ヒカルが黒で倉田が白ですが並べる石は全て白石になります。
一色碁対決
初めての一色碁ですが善戦するヒカルを見て倉田はイベントで悪徳プロ棋士を負かしたヒカルを思い出し、その実力を認めます。形成はヒカルが優勢ですがヒカルにミスが出てしまい倉田はそのスキをせめ、「助かった!」と安堵します。しかし、自分の相手がプロになりたての棋士であることや、一色碁が初めてだということ知り、絶句します。
そんなことを考えていると、倉田は集中を切らしてしまい、盤面の白と黒がわからなくなってしまいます。しかし、自信なさげに恐る恐る倉田が手を打つと、ヒカルは投了し対局を分析し始めます。白黒がわからなくなってしまい、当てずっぽうと運で勝ったような倉田に対して、的確に細かく対局を振り返るヒカルに倉田は心底驚きます。そして、色紙に「倉」だけ書き、公式手合いで勝ったら続きを書いてやるとヒカルにサインを渡します。ヒカルは、倉田が自分を認めてくれたと思い驚きます。
衝撃
そんな矢先、テレビのニュースで塔矢行洋の現役引退が報じられます。
みどころ
塔矢行洋の十段戦と並行して倉田が再登場します。相変わらずのキャラクターと体型ですが、塔矢行洋の十段戦の様子を語理、ヒカルと一色碁を対局するキーマンとして現れます。
塔矢名人と緒方の十段戦は、緒方の勝利となりますが、それに対する倉田の分析が本当に泣けてきます。saiとの対局が影響したのか、名人の囲碁のあり方が変わったという分析は非常に重要でしょう。
そして、倉田との一色碁も必見です。若手随一の実力者と知られる倉田をおい打つめるヒカルの様子は非常に興味深いです。結果こそヒカルが負けましたが、明らかにヒカルの力が抜きん出ていることが描かれます。