ヒカルの碁 第三十一局 「プロ試験開始」

あらすじ

プロ試験予選開幕!

新オープニングでプロ試験が幕を開けます。伊角や和谷といった上位院生とは違い、ヒカルは予選からのスタートなので少し緊張気味です。周りを見ると若い院生だけでなく、多くの大人がおり、ヒカルは戸惑います。

プロ試験は30歳まで受験資格があるため、外来と呼ばれる成人も多く参加するのです。元院生だけでなく、アマチュアの大会での実力者も参加することができます。

緊張との戦い

いつもの場所でいつも通りを意識するヒカルですが、「髭男」の乱暴な雰囲気をはじめとして、大人たちの緊張感に戸惑います。しかし、フクと昨年の塔矢について話を聞き、自分も一年遅れで同じところまで来たのだと心意気を新たにします。

対戦相手にくじ引きを引くと、初戦の相手はなんとヒカルが苦手だなと思っていた「髭男」に当たってしまいます。髭男は行っても打たずに30分も席を立つなど、ヒカルは動揺し、平常心を失ってしまい調子を崩します。

昼休憩の蕎麦屋

昼休憩になると、髭男は強引にヒカルを昼食に連れていきます。髭男は椿と名乗り、対局中にバイクに乗って気持ちを落ち着かせていたのだと言い、気持ちを落ち着かせて実力を発揮することが大切だと語ります。ヒカルはそんな時間の使い方もあるのかと感心します。

いつも院生が行わない2時間の対局で昼休憩を挟む時は、休憩中にも打つ手が考えられるような手番の駆け引きが発生することも椿はヒカルに教え、大人と対局する経験の浅さを指摘します。佐為はヒカルが完全に飲まれてしまい、勝てるはずないと頭を抱えます。

それぞれの戦い方

結局ヒカルは椿に負けてしまいます。ヒカルは院生仲間に食事休憩と手番の関係について話すと、そんなものを気にする必要はないし、考え方は人それぞれだとヒカルは助言されます。また、タイトル戦である封じ手についてもヒカルは教えてもらいますが、囲碁の世界をまだまだよく知らないヒカルは驚きます。

碁会所に通ったりプロの先生についたりすることなく、囲碁を始めて一年でプロ試験予選にたどり着いたヒカルは、院生仲間からも注目されており、また、ヒカルの母親は囲碁の世界についてほとんど何も知らないことが描かれ、翌日になります。

二日目へ

翌日、気分を一新して椿に近づかないようにしつつ棋院に向かったヒカルは、案の定椿に遭遇してしまいます。大人との対局に慣れないヒカルは、やはり調子が出ないまま二回戦を迎えます。

みどころ

新しいオープニングが前回までのポップな雰囲気とは違いかっこいいですね。どこか切なく、厳しくもワクワクする曲ですね。さて、プロ試験予選のヒカルはいきなりピンチに陥ります。

外来と呼ばれる大人たちや、髭男にビビって緊張していく様子が上手く描かれています。確かに中学生なら当然緊張しますよね。逆に、周りの子供たちや実際の棋士たちが若くしてプロになることは本当にすごいことなのだと感じさせてくれるエピソードです。

30歳まで受験資格があり、毎年のように挑戦する人がいる中で院生たちも戦うという、囲碁業界独特の世界観が上手く描かれています。

髭男こと椿はこの後のプロ試験本戦でも登場するので要チェックです。なかなか嫌なキャラクターですがきっと愛着がわく、かもしれません。

奈瀬たちのヒカルへの分析も興味深い会です。囲碁を始めて一足飛びにプロ試験予選まできたヒカルの、大人と打った経験の無さが災いしているという分析は的確ですし、院生としての慣れや貫禄が感じられます。

地味に面白いのがヒカルの母親とのやりとりです。ヒカル同様囲碁のことなど全く知らない母親との噛み合わない会話は面白いだけでなく、ヒカルの異質さを描いており、やはり非常によくできたストーリーだなと思います。

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