ヒカルの碁 第二十五局 「恐れとあせりと」

あらすじ

研究会への勧誘

ヒカルは院生生活に慣れてきた頃、和谷はヒカルを自分の師匠の研究会に誘います。誘いに乗ったヒカルが棋院に行くと、緒方九段と出会います。そこで塔矢門下の研究会に誘われますが、ヒカルは「アキラとは戦いたい、今の自分では並んで勉強なんかできない」と言い断ります。

若獅子戦への決意

そんなヒカルに緒方九段は、若手プロと院生が対局するという若獅子戦を紹介し彼を奮い立たせます。しかし、それに出れるのは一組の16位までで、現在二組18位のヒカルには絶望的だと嘆きます。

研究会では、ヒカルが最初に行った囲碁教室の白川先生と再開し、囲碁を始めてまもない事が語られます。「若獅子戦に出たい!」という目標を語るヒカルを、和谷の師匠である森下九段は気に入ります。

スランプ

焦りもあり、なかなか勝てないヒカルはますます焦り悪循環に陥ります。しかし、ふとした会話から「調子が悪い時は誰だってある」と思い直し気持ちを新たにします。研究会でも佐為の計らいのよって心を持ち直します。が、順位は上がりません。

佐為と毎日対局しているのに順位が上がらないのは何故なのか?というヒカルに対して、佐為は自分と打っているからだと答えます。その頃塔矢門下では、最強の棋士は本因坊秀策であるという話で盛り上がり、秀策が現代の囲碁を学んだら太刀打ちできないだろうという話に緒方はsaiを思い出します。

佐為のアドバイス

佐為はヒカルの最近の負けについて、自分と毎日打つ事で闇雲に攻める事がなくなり、相手の切り込む手に恐れを抱くようになってしまった、ゆえに実戦でも迷いが生じてしまうのだと、と語ります。アキラのように相手の刃を見極め、ギリギリまで踏み込む事が大事だとヒカルを諭します。

佐為からのアドバイスを聞いたヒカルは、白川の「気持ちで負けていたら終わり」という言葉もあり、恐れを勇気に変え、アキラを追い若獅子戦に出る覚悟を新たにします。

みどころ

院生になったヒカルがスランプに陥る様子が非常によく描かれています。なんとなく発破をかける緒方九段のキーマンっぷりが素敵です。若獅子戦について何も知らないヒカルへの解説が観てる側への解説になるのがいつもながら嬉しいですよね。

研究会ではジャンプあるあるの主人公の宣言が見れて清々しいですし、それに対する森下九段もまた最高です。ヒカルがスランプで苦しみながらも心意気を持ち直そうとする様子がリアルです。

この回のみどころの一つは佐為がヒカルの連敗の理由を看破するところと、それと並行して本因坊秀策について塔矢門下の弟子たちが議論するところでしょう。理論上の最強棋士である佐為のヒカルの分析、そしてアキラへの評価を考えるとなかなか面白い物語だなと再認識させられます。

「恐れを勇気に変えて、ギリギリまで踏み込む」というフレーズは、囲碁のことをよく知らなくてもグッとくるものがあるのではないでしょうか。

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