独学というより読書賛美、若い人にこそ読んでほしい一冊
独学術という題名に引っかかり手にとって見たが、良い意味で裏切られた一冊です。何かを勉強するためのノウハウなどが詰まった本ではないのでご注意ください!
基本的には、「読書」というものに重点をおいた本で「生きた知識」を手に入れる方法として本を読むことを推奨しています。「勉強は勉強で得た知識そのものよりも、勉強することで得られる能力にこそ価値がある」という考え方は、ハッとさせられます。
特に、学びの転換点と言われる大学入学したての若い人は、高校までの答えの用意された問いに対する勉強と、そうでない知識や教養そして研究や探求といった知的活動との間でギャップを感じることが多いと言います。そんな人に、ピッタリの一冊です。
「読むこと」こそ最強
独学術というタイトルとは相反して、この筆者は非常に取り組みやすく、簡単なものとしての独学すなわち「読む」ということを懇切丁寧に推奨してきます。
特に、「難解な本にこそチャレンジするべきだし、眺めるだけでも部屋に置いておくだけでも良い」という理論には大変驚かされます。が、実際にチャレンジしてみようという気にさせてくれるのが、この本の凄いところです。
結局のところ、読むだけでなく読んだ事柄から一歩進んで「考える」ということが大事だという論調なのですが、自分の知識や教養の使い方の具体例なども交えて紹介してあって、それが無駄に面白いので、それだけでも一読の価値があります。
宗教を知る
大学の教育の中で、とりわけ文学部系では宗教および外国語というのは大きなキーワードになっています。
グローバル化が進む中で、日本人には馴染みの薄い「宗教」についてしっかり知識、教養を持っていることの重要性を説いているのが、個人的にこの本の一押しのポイントです。
宗教を理解することが哲学を理解すること、ひいては教養を身につける上での基本的な知識を習得することに非常に大きな役割を果たすという説明が、非常に説得力があるので、ぜひ読んでいただきたいものです。
筆者曰く、聖書は絶対に読んでおくべきだし、各宗教についてもオススメの信頼できる書物が紹介されているので、
外国語を習得する
この本の中では、外国語の習得についても触れている。近年何かと持てはやされる「話す」という行為に対してい筆者は意外にも否定的であり、ここでも「読む」という事に重点を置いてます。
個人的には、外国語の前に日本語をしっかりと身につけ大切にすべき、という筆者の意見に大大大賛成で、よくぞ言ってくれたと思います。
とにかく「読む」こと、構文についての考察や辞書を読むという行為、コア・イメージと言った、言語習得の核心に迫る解説もありますので、これから第二外国語などの勉強も控えた大学生は是非読んでみると良いのではないでしょうか?
大学生、新社会人にオススメ
この本はいわゆる「若い頃に読んでおけば良かった系」の本です。本の読み方、知識の積み方や生かし方から、勉強の仕方までを「読む」ことを起点にして体系的に説明してくれます。
いわゆる、一時的なビタミン剤のような自己啓発本とは違い、生涯にわたって活かすことのできる考え方や、生き方のヒントを与えてくれるので大学生なんかにオススメです。
新社会人にも間違いなく通用する内容ですし、何か新しく勉強をスタートする上でも非常に役立つ内容ですし、30分程度で読み終わりますので、是非みなさま読んでみてください。