NANA 第46話 「再開!ハチと章司」

  • 2020-03-17
  • 2020-03-17
  • NANA
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あらすじ

「ガイアから振り込まれた契約金と、事務所から毎月もらえる給料と、この先入る予定のCDの印税。私たちはもうしがないアマチュアバンドじゃない。ハチと子供の二人くらい、余裕で養ってやれると思ってた。」

花火の朝

ブラストや寮の仲間との麻雀大会の夜。ナナは自分なりにノブと奈々が元サヤに戻る事を期待しながら、ノブのことを気にかけ神に祈るような気持ちでノブとAV女優が結ばれないよう色々と画策します。そんなノブは翌朝、隣の美雨のおかげで寝過ごしを回避します。どうやら目覚ましを止めた自覚がないようです。

その日の朝、シンに花火大会に行くのか尋ねられたノブは、奪い返すかはあってから決めるし、人の幸せを奪ってまで奪い返したいとは思わない。でも。寂しそうだったらほっとけないかもしれないと語り、シンはノブらしい発言に優しさを感じます。

説得と家族

ナナはなんとかマネージャー銀平に取材を延期してもらえるよう説得しようと躍起になりますが銀平は拒否します、ナナは「それならすっぽかす」と言い放ち銀平は動揺します。ヤスは仕事にストイックなナナがここまで言うんだからと銀平に頼み込み、取材は無事延期されナナたちは花火大会に行けることとなります。

大喜びするメンバーを見てナナはバンドが家族みたいになってきたと思います。そして、そんなメンバーに囲まれているから自分がわがまま言えることや、自分はそんな明るい家庭に憧れていたこと、そしてそこに奈々が加われば完璧だと思い、一人嬉しそうに笑います。

章司との再開

一方で、奈々は妊娠14週目に入りお母さんっぽくなってきます。お腹が空いた奈々は、ジャクソンバーガーに寄ろうと思いますが、何やら悪い予感がするなあとも一人で呟きます。そんなジャクソンバーガーに行くと章司がいて予感は的中します。

なんとも言えない雰囲気の二人ですが、奈々がトラネスのタクミと結婚したことは章司は淳子から聞いていたようで、奈々のことをセレブだと囃し立ます。二人は別れた時のことや人間性についてお互い腹を割って面白おかしく話し合います。そして、二股の時期が二週間だと聞かされ奈々は、自分の悩んでいた事の小ささを感じます。

レイラとタクミ、それぞれの思い

一方、トラネスではレンとナナの結婚について会見を行うという話が持ち上がり、それについてレイラとタクミは意見をぶつけます。あくまでレン自身のことを心配し考えるレイラに対して、タクミはバンドやビジネスを念頭に議論を進めるため、二人の話し合いはいつしか口論になります。

そんな所に、会見を開くと言い出した事務所の社長がやってきて、口論は一時中断し社長が用事を済ませて帰るとタクミは、レンの結婚会見は社長の言い出したことで、恋人宣言によってトラネス側がブラストを売ってやったと言う印象を世間に見せたいのだろうと分析します。

タクミという男

バカみたいと言うレイラに対して、同調するかのようにタクミは会見なんか開かずさらっと宣言した方が説得力もあるし好感度は高いとコメントします。「バンドや事務所の保身のためにレンを結婚させるなんて」とレイラは憤りますが、タクミは結婚自体はレンが言い出したことだし、これはビジネスの話だと感情的なレイラを突っぱねます。

自分の気持ちも見透かされ、これだから女は嫌なんだ、と言われたレイラは「うちのバンドは女子の人気に支えられているが、ビジネスとしてレンとタクミが続けざまに結婚するのは果たして得策なのかどうか?」「音楽性だけで支持されていると思ったらうぬぼれだよ」と反撃します。

するとタクミは静かに、真剣に「わかったよ。レンだけなら良いんだな」と冷たくコメントし、レイラは改めて仕事人としてのタクミに対して寂しさや畏敬の念、恐ろしさを感じます。

本当の別れ

一方のジャクソンバーガーでは食べ終わった章司と奈々の二人が、話しながら店から出てきて、お互いの経済状況や生活について語ります。奈々は「これでも前よりはしっかりしてきたんだよ」と言うと「知ってるよ。」と優しく言います。

二人はこれから始まる花火大会では、お互い会っても知らないふりしようと取り決めをして別れようとします。すると、章司は奈々の方に振り向いて、「本当にごめん」と謝り、奈々も「私も悪い所、いっぱいあった」と言います。

章司は、奈々と喋ると楽しいし会えて嬉しかったと語ります。そして、「だから、もう会わない。前科者は自重しないとな。」と言います。土壇場になり、なかなか別れられなくなりますが最後は赤ちゃんの話題になり、章司は「元気な人間の子を産めよ」と言って二人は複雑な心境で別れます。

花火大会へ

707号室では、変装したブラストの面々が奈々の帰りを待ちます。シンは美里風に、ノブは章司のような風貌になっていることが話題になり、メンバーは盛り上がります。

一方の、本物の章司は待ち合わせ場所で幸子に会います。目が赤いと指摘され、「遠視なのかな。遠くなるほどよく見えるのに、近くなるほど見失うんだよね」と静かに言います、「みんなそうかも」と幸子は同意し二人は手を繋いで会場に向かいます。

「ねえ、ハチ。人は失って初めてその大切さに気づくって言うけど、本当の意味で気づくのは、いつも、再び向き合えた時だった気がするな。もし、今みんなにもう一度会えたら、私はきっとまた甘えてしまう。それが怖くて、ここから動けない。」

みどころ

いよいよ、花火大会という最後のいうベントに物語は進んでいきます。なんだかんだ、もめた取材の延期の一件は面白いですね。

前々から描かれていますが、二人のナナそれぞれの望みや希望、幸せが決定的に別のものになっていることが痛いほどわかる回です。奈々を取り戻そうと躍起になるナナに対して、母親としての幸せを噛み締め順調に子育てに差しかかろうとする奈々という構図は寂しさや切なさを感じさせます。

一方で、レイラとタクミのレンの結婚についての口論も、男女の対立という深い影を落とします。優しいレイラと仕事人というタクミという構図は、結ばれるはずないとはたから見ていると思ってしまいます。

ビジネスの話として反撃してきたレイラに対するタクミの返答には鳥肌が立ちました。バンドのことを誰よりも考え、そのために自分とその大切な人はどうなっても構わないとも言うような覚悟は、見てて清々しくも恐ろしく、かっこいいなと個人的に思います。

今回の山場となる章司と奈々の再開と別れは、物語の中で最も古くから存在する人間関係に終止符を打つとともに、奈々のこれからの行動に大きな影響を与えることとなります。二股をかけられていたのが二週間だと知った時の奈々の表情は非常に興味深いです。

最後の別れから続く、章司の「遠視」だ発言。かなりの名言でまとめられますが、改めて男女の人間関係の難しさや、人間の恋愛感情の複雑さを痛感させられます。

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