あらすじ
ベッドの上での回想
ノブのアパートで一夜をともにした奈々とノブのホヤホヤカップルは、明け方のベッドでノブの実家のことや高校の時のナナの話をします。お互いのことをよく知らないことに驚きつつも、仲睦まじく二人は会話をします。
高校の時のナナは美人だったが暗く誰とも話さないタイプで、周りは怖がって近づかなかったのだとか。基本的に優しいノブは、友達がいないのは寂しいだろうと思い、CDを無理やり貸したことで二人は話すようになったようです。
優しくて甘えん坊のノブ
そんなノブの回想を聞いて奈々はそれは恋なのではないか?と問い、ノブはそうかも!と同調し奈々に怒られますが、自分はナナを女として見れないのだとノブは語り、でなければレンとナナを引き合わせたりはしなかったと言います。色々と歪んでいるナナを気にした当時のノブは自分の憧れるレンに会わせることで何か良い影響を与えようと思ったようです。
大成功だったのではないかと奈々はレンを褒めますが、レンはあの当時自分が思っていたほど強い人間ではなかった、ナナに出会って救われたのはレンも同じだったのかもしれないと語ります。
ノブは自分は男は女を支えるものだと考えていたが、最近の出来事もあり、それは間違いだったかもしれないと言い始め、奈々がずっとそばにいてくれるなら幸せにしてあげると言います。奈々に甘えてくるノブに対して、自分も甘えたいタイプだが、愛しくてノブに対して彼が望む全てのことをしてあげたいと思うようになります。そして、今までの自分は男の人から「〜してもらう」ことしか考えていなかった、それが良くなかったのだと思いに耽ります。
奈々の思い
アパートに帰るとナナが奈々を冷やかします。奈々はなんと説明するかじっくり考えようとアタフタしますが、ナナの方からノブと奈々について「あんた達気があうでしょ」と優しいコメントをします。ナナの優しさに触れ緊張が解けたのか、奈々は泣き出し自分はノブのことを好きになってしまったのだと言い、二人はそれ以上何も言いませんでした。そして、何も説明する必要はなく私がノブを大切にすれば良いのだと奈々は決意します。
淳子と京助の分析
ノブと奈々は淳子や京助の作品も展示されている展覧会にデートに行き、その様子を見た淳子は夜のジャクソンバーガーでノブと奈々ができていたと語ります。淳子はヤスには相手にされず男のことを隠していたのはノブではなく別の男で、その件で痛い目にあっていたのだろうと分析します。話がなんとなく元カレである章司のディスりが始まります。章司が奈々から聞かされたノブについての話を聞いた淳子達は、意外と新カップルがうまくいくんじゃないかと言い始めます。
淳子と京助は奈々と章司が付き合う前から知り合い、そして別れた時もそれなりに関わり見守っていた二人で、今回の奈々の新しい恋が始まったことによって、章司との関係や奈々の恋愛に関する考え方や愛情表現について考察をします。なんだかんだ淳子京助カップルはラブラブなようです。
それぞれの感情と思惑
一方のタクミは奈々のケータイに非通知で電話をかけるも拒否設定にされていることで腹を立てます。そんな様子を見てレンはナナからノブと奈々が付き合ったことを嬉しそうに報告してきたことを思い出します。レンはタクミに奈々とは切れたのではないのか?と問いますが、タクミはアイツが勝手に切れてるだけだとコメントをします。
ブラストのスタジオ練習の前、ナナはノブに対し奈々と付き合えて良かったなと言うと、ノブは応援してくれてありがとうと言います。しかしナナは、別にノブを思って応援していた訳ではなく、「ハチ公を自分の庭で放し飼いにするためだ」と言い、ノブはショックを受けます。
シンの分析と哀しみ
その夜、ノブはシンとナナについて語ります。シンはナナの所有欲の強さは異常だと分析します。レンの首に南京錠をかけたり、名前にちなんだタトゥーを入れたりといった行動に対して、自分なら怖いと思うし、それを喜んで受け入れて別れて二年たっても思い続けているレンも独特な完成だとコメントします。
シンはノブと奈々が結ばれたことは純粋に嬉しく思っているし、「男と女は愛で繋がれるのか?」という問いに対する答えを見せてもらいたくて応援していたのだと語ります。「繋がれるんでしょ?」と聞くシンに対して「自分で確かめろ」とノブは照れながら言います。しかし、「僕には無理だよ」とシンは悲しげにうつむきます。
父親
その頃、ヤスとレコード会社の川野はシンの父親と思われる人物に保護者同意の許可をもらいに行っています。その人物は、その契約書には全く興味のない様子ですが、芸能界はスキャンダルと隣り合わせのため、自分や上の息子に余計な面倒がかからないか心配だと語ります。川野は事務所としては素性やプロフィールは一切明かさない方針だと言います。「素性を晒さないならなんでもいい、家の恥を世間に晒したくはない」といい男は契約書にサインをします。
「岡崎さん、たとえ血が繋がっていなくとも、15年間育ててきた子供に少しは親愛の情が湧きませんか?」とヤスが聞くと、「残念ですが、私は真一に愛情を持てたことはありません。」と言い放ちます。
封印と隠滅
タクミと縁を切ってポスターを剥がした奈々ですが、壁に残ったポスターのあとを消すべく美里と一緒にペンキを塗ります。「部屋が明るくなっていいですね!」と言う美里とは裏腹に、奈々は思いでを封印したいだけなのに証拠隠滅をしている犯罪者のような気分になるのはなぜだろうか、まだ何か間違いを犯しているのか?自問します。
みどころ
ついにノブと奈々が結ばれます!紆余曲折がありましたが、周囲から見れば二人は様々な点でお似合いと評判です。お似合いなのは表面上だけでなく、奈々は甘えたがりのノブと向き合うことで、自分のこれまでの恋愛観を反省するなど、この恋愛は非常に良い影響が二人にもたらしていると言えます。
一方のタクミ側は奈々が一方的に連絡を絶っていると言う認識をしており、二人の間には何らかのズレが生じているようです。それをノブは俯瞰しますが特にきにする様子もなく、別れられて当然だろとコメントしていますが、今後の展開が少し心配になります。
久々に登場した淳子や京助、元カレさんなどの会話や分析も非常に面白いですね。淳子の的確すぎる奈々の分析はお見事って感じです。
奈々と結ばれるノブに対して、シンの両親との問題や愛情絵の飢えと欠如も浮き彫りになります。ノブの部屋での会話から続くシンの父親の描写やヤスとの会話の一連のシーンはなかなか悲しいものですが、色々と考えさせられますね。