あらすじ
いよいよ対局
父親が倒れた事によってヒカルとの対局が流れてしまったアキラですが、近いうちにヒカルの力がわかる日が来るだろうと考えます。一方で、今日は誰にも邪魔されずネット碁を打ちたいと言った父親に対して不思議だなという感情を抱きます。
負けたら引退すると言う名人に対して「親も子もプライドが高いなあ」と思いながら緊張した面持ちでヒカルはネカフェのパソコンに向かいます。そして、時間が来てついに対局が始まります。画面越しに伝わる名人の気迫にヒカルは興奮し、自分がこの一局を見られる事に心が踊ります。
興奮する観戦者たち
仕事や勉強会で疲れて朝帰りになってしまった和谷は疲れた久々にネット碁でもやるかとパソコンを開きます。するとsaiの名前とtoya koyoの名前を見て偽物に違いないと思いますが、名人は病院の個室ならネット碁をできるなとも思います。そんなtoya koyoの対戦相手がなんとsaiだったため和谷は「本物だったらすごいなあ」と言いますが、持ち時間三時間というネット碁では一般的ではない条件を見て、本物かもしれないと思い始めます。世界中のネット碁ユーザーも塔矢名人とかつてネット碁界隈を騒がせたsaiが対局をしているという情報を得て盛り上がります。
対局している名人は、saiがただのアマチュアではないと悟りますが、負けたら引退するという宣言を取り消すつもりはないが、私が勝ったら名を明かしてもらおうと心に決めます。すでに本物だと知られているtoya koyoに一歩も引けを取らないsaiもまた、二年前に現れた本物だとネット碁愛好家たちは確信します。
これが私の碁だ
対局は佐為が仕掛けた攻勢に名人が乗り、形成がsaiの思惑通りに運んだように見えますが、いつの間にか名人にとって悪くない流れとなり、観戦者たちも驚きを隠せません。さすがは名人と言ったゲーム展開です。
さて、一方の若手棋士たちの勉強会にいるアキラですが、勉強会の中で父がネット碁を始めたのだと語ります。今対局してるかな?と何気なく一同がネット碁を開くと、なんとtoya koyoが対局しています。対戦相手のsaiの字を見たアキラ以外の人達はネット碁をあまりやらないため知りませんが、アキラは違います。今日は誰にも邪魔されずネット碁を打つという名人の発言から、本当にsaiと父親が対局しているのだと知り、アキラは衝撃を受けます。
みどころ
神の一手を極めようという佐為にとってついに念願の対局が実現します。親子揃ってプライド高えなあというヒカルのコメントが面白いですが、シリーズの中でのクライマックスとも言える対局は緊張と興奮に包まれています。
ネット碁ユーザーたちの興奮ぶりや観戦の様子なども非常によく描かれています。改めて作者の時代感覚の鋭さに脱帽します。
そしてゲーム展開は、現在のところは名人有利の運びます。佐為の仕掛けた一手をきっかけに、その計略に乗るようでしっかりと形勢を自分のものにするという、名人の凄さ、強さが描かれます。
時代を感じさせるコンピューターですがネット碁を介した様々な出来事や対局と言った話の展開は今の人が見ても面白いのではないでしょうか?