ヒカルの碁 第四十五局 「ヒカルVS越智」

あらすじ

越智の牽制と墓穴、見えるアキラの影

なぜアキラと打っているのか?自分を倒すためにとはどういうことか?とヒカルは越智に問いますが、越智は勉強になるからだと突っぱねます。ヒカルはアキラが自分について何か言っていなかったか?と聞きますが、越智はアキラはヒカルのことなんか何も言っていなかった、自惚れるな、と嘘をつきます。

ヒカルを動揺させるためか、あるいはプライドのためか、越智はアキラがヒカルのことなど眼中にないのだと言い張ります。プロに入ってまだ無敗という異次元の強さのアキラがヒカルのことなんか気にするわけないと越智は言います。調子に乗った越智は、自分がヒカルに勝ったらアキラは自分をライバルと認めるのだと自慢します。それを聞いたヒカルは越智の発言の裏にはやはり、自分に執着するアキラがいるのだと看破します。そして、越智に勝てばアキラは自分をライバルと認めるのだなと、越智の後ろに見えるアキラの影に言い放ちます。

戦況とそれぞれの戦い、明日

ヒカルを動揺させようとした会話が裏目に出て、逆にヒカルが奮起してしまう結果となった越智は、緊張感と焦りを漂わせます。一方、伊角の対戦相手は格下で勝利はほぼ確実、苦手なフクと戦う和谷と、対抗心むき出しの越智と戦うヒカルの結果次第ではプレーオフとなる局面です。

最終日はそれぞれ胸に思いを秘めて対局をします。プロ試験が終わった後のことを考える人もいれば、目の前の真剣勝負に全てをかける人もいます。越智の背後に見えるアキラを目指すヒカル、そんなヒカルを倒すためにアキラと毎日のように打ってきた自分が負けるはずないと信じる越智との決戦が始まります。

ヒカルの決意と一瞬のスキ

ヒカルはアキラとの出会いや佐為を追いかける真剣さ、そして自分がアキラをおってここまできたことを思い出し、プロになって追いついてやると意気込みます。越智の石の運びに相当の力を感じた佐為は感心しますが、形成は互角のまま序盤が進みます。しかし、ヒカルは甘い一手を打ってしまい越智はそのスキを目ざとく攻撃します。昼休みの前、伊角は下馬評通り余裕の対局ですが和谷もヒカルも苦戦気味です。

昼休み開け、ヒカルは長考し越智はアキラの指導も無駄ではなかったと思います。このままでは終われないヒカルは強引な攻めを展開するかに見えますが、越智は何らかの手筋が隠されていると今後の展開を読み切った一手を打ち返します。「それがあなたの鍛えた結果なのですね」という佐為は、ヒカルが戦略を立て直さなければいけないと分析します。

対局の行方

スヨンとの対決を見せられた時の衝撃を思い出した越智は、ヒカルが100手読めば101手、1000手読むなら1001手読むだけだと緊張の糸をゆるめません。ヒカルはピンチに陥りますが、逆転の望みをかけて粘ります。そんなヒカルに対して越智は一気に攻めて潰そうと構成をかけますが、それにヒカルはカウンターを仕掛けます。

みどころ

いよいよ越智とヒカルの対局です。間接的にアキラがヒカルの力を推し量るためにセッティングした対局なので、アキラとヒカルの戦いとも言えそうです。対局前の越智とヒカルとの会話、越智の幼さゆえなのか結局自分で墓穴を掘ってしまうところが面白いですね。アキラの影がちらつくことで奮起するヒカルの様子もみどころです。

そして、不合格が決まった者たちの物語もまた興味深い者です。明日につながる対局をするべくしっかりとベストを尽くす切なさと清々しさを感じます。また、伊角は和谷とヒカルの結果次第でプレーオフか不合格が決まるという立ち位置にいるというのも重要なポイントです。院生たちの戦況分析も面白いですね。

越智とヒカルの対局は越智の有利で展開されます。ヒカルは甘い一手をきっかけに崩れていき、長考の末の起死回生の妙手もヒカル対策をしてきた越智によって対処されるシーンはさすがアキラだなと思わせてくれます。そして相手よりも多く手数を読めば良いという越智の自信と真剣さもまたハラハラさせてくれます。

そして、粘るヒカルに対して一気に決着をつけようとする越智、それを狙っていたかのようなヒカルという瞬間で話が終わるのは最高の演出でしょう。

最新情報をチェックしよう!