ヒカルの碁 第二十九局 「桑原本因坊」

あらすじ

アキラの執着と近くプロ試験

若獅子戦でヒカルの対局の終盤、不思議な局面を見たアキラは、対局の中盤に果たしてヒカルがどんな打ち方をしたのか知りたいと思い緒方九段を問い詰めます。緒方は、何があったにせよヒカルの実力はプロ試験で明らかになるだろうと言います。

若獅子戦の最中、院生たちは行きつけのハンバーガーショップで感想を語ります。小学6年生の越智の強さや、負けた後にトイレにこもる癖について話します。また、ヒカルは自分は強くなったと言い、周囲もそれを認めます。そして、もうすぐプロ試験が始まると語ります。

桑原の霊感と本因坊戦

院生たちが集まってエレベーターに乗ろうとすると、本因坊のタイトルを持つ桑原本因坊が出てきます。何気なくヒカルとすれ違いますが、その後「ただならぬ気配を感じる」と語り、ヒカルに対して興味を持ちます。

本因坊とは、昔から囲碁の強い人が受け継いできた名前で、それにちなんだタイトルが作られ、優勝した人が本因坊を名乗れるというものです。タイトル戦の中でももっとも歴史の古いものだとヒカルは院生たちから教えてもらいます。どのタイトルも2年がかりで予選を行い、その優勝者がタイトルホルダーに挑戦するシステムです。囲碁のタイトルについて何も知らないヒカルに周囲は驚きます。

ヒカルの成長と門脇の登場

ヒカルのもっと強くなりたいという意志を感じた佐為は、指導にも熱と専門性を帯びてきます。プロの世界を少し知ったヒカルは、自分が時間は違えどアキラたちと同じ部屋で対局していることを感じ、心意気を新たにします。

北海道では本因坊戦の前夜祭が行われ、桑原と緒方は今後の囲碁界とタイトル、そしてそれぞれの目標や目論見について語り合います。時を同じくして、アキラが二段に昇格したとヒカルは知ります。

また、ネット碁に興ずる和谷は、門脇と呼ばれる知る人ぞ知る天才棋士がプロ試験に出てくるという噂を見て、伊角と二人で警戒します。

みどころ

相変わらずアキラのヒカルに対する執着っぷりが全面に出てしまう会です。しかし、緒方九段に色々と聞くもプロとしての自覚を持ち始め、ヒカルから追われる立場であることをなんとなく自覚しているような描写です。

院生たちの会話はプロ試験が近づき少しずつ緊張感を帯び始めます。越智の負けた時の癖というのはなかなか怖いですね。タイトル戦についての説明もこの回で初めて行われ、何も知らないヒカルを通して色々と勉強になる回でもあります。

エレベーターでの桑原とヒカルとのすれ違い、桑原と緒方の会話などからそれぞれが若い世代に対してどう考えているか、そして緒方がアキラとヒカルについて期待していることが明らかになります。佐為とヒカルとの指導碁も新しいステップを踏み出したようで今後のワクワク感を感じさせます。

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