ヒカルの碁 第十四局 「三度目の対局」

あらすじ

ヒカルとアキラ、三度目の対局

中学校の囲碁大会で葉瀬中と海王中が戦います。ついにヒカルとアキラは三度目の対局です。アキラの大会出場に対する思いと経緯を知ったヒカルは佐為に打たせますが、筒井や三谷を見て、そして(対局直前に手が震えてしまうほど)本気でぶつかってくるアキラに対して自分の力で戦いたいと思うようになります。

ヒカルの意志とアキラの激怒

自分の力を試したいと思うヒカルに佐為の言葉は入ってこず、ヒカルは佐為も驚くような妙手を繰り出します。その妙手に繋がる実力はヒカルにはまだ備わっておらず、案の定試合は崩れてしまいます。佐為は惜しいなと思いつつも、ヒカルの成長と可能性を感じ誇らしく思います。

一方のアキラは、苦しい思いまでして勝ちとった、念願のヒカルとの対局だったものの、以前(佐為と)戦った時とは明らかにレベルが違うため失望し、声を荒げ激怒します。ヒカルの碁に絶望したアキラは、自分なりに一生懸命打つヒカルに対して、常軌を逸した早打ちで応酬し圧勝した後、その場を後にします。

海王中の勝利

同じ頃、筒井は海王の副将相手に歯が立たず、三谷は善戦しますが海王の大将岸本に敗れてしまいます。どこか悟ったような表情を見せ「負けました」と三谷が言うシーンはなかなかかっこいいです。

葉瀬中は0-3で負け、二回戦敗退したところでこの回は終了します。

みどころ

佐為に打たせていたヒカルが、一緒に戦う仲間を見て、アキラと自分が戦いたいと思い、自分の意思で打つところまでの描写がなかなか興味深いです。

一見何げない三谷と岸本の対局も、囲碁の打ち手の性格や意識を反映する独特な世界を表現していて面白いです。

それにしても、アキラの怒りっぷりは凄まじいものです。アキラが戦いたいと思い、そして手が震えてしまうほど恐れているのは佐為であり、佐為を意識して戦っていたのに途中からヒカルの拙い囲碁になってしまっていたのだから、それまでの経緯を考えれば無理もありません。

怒りに我を忘れそうになるアキラに対して、静かに制御するユン先生の教育者としての意識も感じられます。

観ている方としてはヒカルの身勝手さに微妙な印象を抱きますが、ヒカルの意思を尊重し可能性と成長を評価する佐為や、正々堂々と戦って負けを認める三谷など魅力的な回だと思います。

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