あらすじ
「当時、私の部屋にはテレビも電話もなかった。おかげで一人、祭りに乗り遅れた。不愉快極まりない。」というモノローグからスタートです。
部外者は黙ってろ
ナナとレンとの熱愛報道は朝からスクープとして全国的に話題になります。京助や奈々の家族たちも一度会ったことのあるナナがテレビに取り上げられており興奮します。
タクミは悪態をつきながらマネージャーに電話しますが、奈々が感情的にその悪態に反応します。うっとうしい奈々にタクミは「部外者は黙ってろ」とキレ、奈々はナナに会いに行くと言い出かけようとします。
「これ以上面倒を起こさないでくれ」と怒るタクミに対して奈々は「人としておかしい」と言ってしまい二人の間は険悪なムードになります。ナナのところに向かう道中、淳子は奈々に結婚相手は芸能人の「タクミ」だと看破し連絡します。
取り乱す奈々
タクミから結婚をやめるのもありだと言われた奈々は、タクミのことを隠してたことや、ノブに対しての仕打ちなどの、これまでの後悔や気持ちが一気に押し寄せ取り乱します。
奈々は今までの恋愛遍歴についても泣きながら呆れながら聞く淳子に語り、自分を大切にしてくれる人は大切にできない悲しみという胸中を打ち明けます。
冷静な指摘
取り乱して、昔の話も持ち出してきて手のつけられなくなった淳子は電話を京助にパスします。京助は、奈々の不安を的確に指摘し奈々はまた大号泣します。
今からナナのところに行くのだという奈々に対して京助は、アパートにはたくさんの記者が詰めかけていると知らせ、「冷静に考えれば今ナナに会いに行くのはまずい。自分だけじゃなくタクミや子供の暮らしも考えろ」と京助は諭し、奈々は納得して引き返します。
ブラストの衝撃
一方のナナのアパートには週刊誌の記者が押しかけます。モノローグの通り、テレビもないナナには何のことかわかりません。一方のノブとシンのところには川野が駆けつけ、荷物をまとめて一旦ホテルに避難するよう指示します。
ノブは川野に、今回のような騒ぎは誰かが裏で手を引いているに違いないが、自分はもう誰のことも信じられないと困惑します。川野によれば、何者かが電話で川野とヤスに今朝のニュースを見ろという非通知の電話をかけていたとのこと。
ノブは、自分たちを無理やり売り出そうというガイアの差し金じゃないかと言いますが、シンは「ノブさんは根っからの善人だね」と言い放ち、売るためではなく潰すためかもしれないと持論を展開します。川野もそれに反論できないようです。
テメェの花を咲かせろよ
記者たちが集まっている中、ヤスがアパートの前に現れます。無遠慮な質問を浴びさせられたヤスは、静かに「あんたらさぁ、人の庭あらす暇あったら、テメェの花を咲かせろよ」と言い放ちます。記者たちは呆気にとられるますが、どうやらその様子がテレビ放映されたらしく、タクミは「マスコミ敵に回したよ、バカだねぇ」と言いますが、ナオキとレイラは「かっこいい!素敵!」と盛り上がります。
救出
ナナのアパートにはまだ記者が張り付いており、レンの女としてデビューするのは絶対に嫌だったナナは困惑するとともに怒りと悲しみに苛まれます。
そんなところに来たヤスは、怒りのあまり記者をぶん殴ります。記者を追い払ったヤスは、ナナの部屋に入ります。ナナはヤスが記者を殴ったことについて怒り、「暴力沙汰で人生棒に振る気か!」と強がりつつも泣きながらヤスに噛み付きます。
「これで思い切り博打が打てる」と語るヤスに対して、「ウチのメンバーはバカばっかりかよ」とナナは一人思い、ヤスの胸の中で泣き崩れます。
タクミの思い
一方のタクミは事務所の意向もあり、避難するようにイギリスに高飛びすることとなります。彼女のフォローをしなくて良いのか?というマネージャーに対してタクミは、ナナはそういうのを好まないのだと語ります。
「自分らは仕事で音楽をやっていて色々な企業や人を巻き込んだプロジェクトのなかで生きている。バンドっていうのは運命共同体で、俺が今守らなきゃいけないのは昔捨ててきた仲間じゃないんだよ」と静かに、悲しげに語ります。
ハチ公!見てなよ!
ヤスに連れられナナは記者たちに囲まれながらアパートを出ます。レンとの関係や売名行為について質問が投げかけられますが、「ばかばかしい」とナナは思いながら自分の立場やレンの立場は理解している故に騒ぎ立てるのは得策ではないと考えます。
しかし、「どうしても口に出さなきゃ伝わない思いがある。ぶち壊されてたまるか。」と決意し、マイクを奪いながらカメラに向けて「ハチ公、見てなよ!あんたの望みは絶対叶えてやるから!」と言葉を残してスッキリした表情でその場を後にします。
淳子と京助の自宅にいる奈々は、そんなナナのメッセージを見て泣き出します。報道陣も予想外のコメントのようで、騒ぎの行方は本題から逸れていくようだと京助たちは分析します。
「あのさぁ、ハチ、あの日から私が何度打ちのめされても立ち上がれたのは、あんたがいつも見ていてくれたから。」と締められます。
みどころ
ついにブラストがテレビに、というよりスクープネタとしてナナが槍玉に挙げられてしまいます。芸能界の欲が渦巻く世界で翻弄されていくブラストの面々に注目です。
ナナの部屋にテレビが無いというのがポイントでしょうか。携帯電話も満足に使えないという点など、実は今回の状況に陥るまでに様々なフラグというか仕掛けが施されているのが意外とポイントだったりします。
タクミに対する奈々の冷静さを欠いた振る舞いは、男性ならイラっとくるものらしいですけど、どうなんでしょうね。確かに浅はかではあるかなと思います。そんな浅はかな奈々を冷静に引き止めた京助のファインプレーに拍手です。
今回の名言は圧倒的にヤスのマスコミに対するコメントですね。シリーズ通して一番かっこいいかもしれません。そのあとのナナとのやりとり、ナナの心の中の思いも非常に泣かせますね。
タクミの仕事人としての意識やナナに対する考え方も泣かせるポイントです。でもやはり、一番は二人のナナがすれ違い言うことのできなかった思いを、ナナがカメラに向けて言い放つシーンでしょう。ここまでの物語をじっくり見返せば見返すほど、二人の思い出や前の日の出来事など、胸にくるものがあります。
今後どうなるのか不安を残しつつも、一抹の安堵をもたらす今回は非常に内容も濃く見応えのある回だったのでは無いでしょうか。