NANA 第38話 「運命の引き金」

  • 2019-12-05
  • 2020-03-21
  • NANA
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あらすじ

「喧嘩するほど仲がいいなんてよく言うけど、喧嘩なんて結局エゴのぶつけ合いだし、本音をさらけ出したところで人は分かり合えるわけではない。傷つかずに生きていくことはたぶん不可能だけど、周りを傷つけずに生きていく努力はしなければと思った。なんだか、無性にそう思った」と言うナナの静かなモノローグから始まります。

それぞれの朝

シンのケータイに奈々から話したいことがあるから会えないか?と言うメールが届きます。シンはレイラの部屋に例のライターを残して帰ります。

ナナはアパートでレンに抱かれながらぐっすりと眠り、その複雑な思いを消すことが出来ないこと、そしてレンのことが好きであることを再確認します。また、イチゴのグラスがなくなっていることから、やはり自分が割ってしまったのだと悟り、苦悩します。

レンとナナ

レンはナナに、グラスは二つとも割れていてショックを受けた奈々をなだめるのが大変だった、とタクミが言っていたと伝えます。そして、奈々が黙って出て言ってしまうもの無理はないと、冷静に語ります。

ナナは自分が何も覚えていないことや、ケータイを水没させた事など、最近色々と不安定な事を気に病みます。いますぐナナに電話したくても出来ない事に焦りますが、レンは奈々の新居の住所のメモを渡し、会いに行ってやれと言います。ナナはグラスを買わなきゃ!と言いレンに近くの駅に送るよう頼みます。

引き金

「何度思い返しても、なんて迂闊な事をしたんだろうと思う。だけど、強くなる雨足と傘を持ち合わせていなかった焦りが、早くハチに会いたいという私の衝動を高ぶらせた」そんなモノローグが挿入され、二人がアパートから出て車に乗るまでの一瞬を、パパラッチは捉えます。

「人の運命を狂わす引き金なんて、一瞬で引ける」

すれ違い

奈々はシンに会いに外出しますが、ナナは奈々に会いに高級マンションを訪れます。道中二人はすれ違いますが運命の悪戯でお互いに気づけません。ナナはマンションの受付に届け物を頼まれますが、怪しんだ受付の人は、その部屋は空室だと言い放ちます。

どうやら、アポイントメントの無い来客は受け付けないこととなっており、突発的に来たナナは追い返さなければいけないようです。ナナは奈々の存在がなきものになっていると憤りますが、どうしようもありません。

シンと奈々

一方の奈々はシンにタクミと結婚したのだと報告します。シンはタクミがノブの一件も全部知ってて結婚すると決めたことに驚きます。しかし、自分の決断や考え方に疑問を感じ始める奈々を見て、シンは自分には何が普通で何が普通ではないのかよくわからない。自分の言うことは気にしないでくれ、と語ります。

奈々は自分や周りがシンに色々と隠していたのは、シンの家の事情などを考え、傷つけないためだった言います。そしてシンの母親も悩んでいただろうと語りますが、シンはそんなことは分かっているよ、子供扱いしないでくれ、と静かに自嘲気味に語ります。

ハチの子供

すると奈々は、シンがどうして「自分なんか生まれてこなかったら良かったのに」と思うようになったか教えて欲しいと頼みます。奈々は「私は自分の子供にそう思わせたくない、子どもがもしタクミの子じゃなかったら、タクミも子供も傷つくだろし、そうであっても努力次第で幸せな家庭が築けるのではという希望を持ちたいが甘い考えだろうか」と問います。

シンは静かに「そうだね。でも僕の考えなんて気にしなくていいし、事情が同じでも人が変われば事態は変わるし、結局は自分の考えでやっていくしかない」と言い、「僕もハチの子供に生まれたかったなぁ」と悲しげに語り、奈々は泣き出してしまいます。

暗雲

とある駐車場の車の中では、岡崎真一の母親が自殺していることが語られ、そして次はナナの母親について調べるよう雑誌編集者が怪しげな密談をしています。どうやら、熱愛報道のネタをテレビにも売ったらしく、ガイアがデビューさせるのを渋ってるのをよそに、スクープとして取り上げる企みのようです。

改札にて

夕方、ナナは奈々の帰りを日暮れまで待ちますが会えずじまいで、その日は退散することにします。次の日のバイトの後もチャンスはあるし、電話番号もスタジオ練できけるだろうというプランです。明日があるさ、と改札を抜けホームに向かいます。

その直後、奈々とシンは二人で改札に行き別れの挨拶をします。シンは主婦としての奈々を励まし、奈々はシンにブラストは絶対日本一のバンドになる!と励まします。遠ざかるシンの背中を見た奈々は「シンちゃん!」と叫び、ノブは元気か?と悲しげな顔で問います。シンは「ギターばっかり弾いてるよ、僕まで眠れない!」と返します。

みんなの朝、リングの上

「夜明けが待ち遠しい。明日は晴れるといいな」というモノローグから導かれる翌朝、シンの家に居候するノブがテレビをつけると大音量でブラストのライブ映像が流れます。それは、レンの熱愛発覚の大スクープニュースでした。

「分厚い蜘蛛が去って、突然スポットライトを浴びたあの日から、私たちが立っていたのはステージじゃなく、リングの上だった。歓声と罵声が今も耳に残って、うるさいよ」

みどころ

物語の大きな転換点となる回です。そして、運命の悪戯とも言えるすれ違いがこれでもかと起る、切ない会でもあります。

一瞬でも会えていれば、二人のナナの関係は修復されただろうし、今後の展開も絶対に違ったはず。運命の引き金が1日でも遅く引かれていたら、そんなことを思わせる悲しい回です。

シンと話す奈々の苦悩、そして我が子に対する思いやシンの思いも非常に綿密に色濃く描かれます。結局何が普通で何が普通じゃないのか、結局は人によるのだろうという諦めに似たようなシンの心情は心動かされます。

シンと別れる時の奈々の表情やノブのことを訪ねた時の二人の表情など、ストーリーの中での一瞬の出来事ですが個人的には本当に泣けてくる名シーンでしょう。

そして翌朝の衝撃展開、当事者たちの知らないところで色々なものが動き出し、ストーリーは混乱の最中に突入して行きます。

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