あらすじ
「いくら夢みがちな私でも、名前しか知らないその女の子と再び巡り合うことになろうとは、夢にも思ってなどいませんでした。」
https://amzn.to/3iNgRCP
浮かれる奈々と妄想「幸子」
話は前回の続きで、二人のナナがルームシェアを決めるところから始まります。淳子にたしなめられますが奈々はご機嫌な様子です。
バイトから帰ってこない章司に対して、奈々は「幸子」という架空の浮気相手を妄想し悩みます。一方の淳子と京助は章司と奈々について分析をし、二人の相性や性格、今後について考えます。
ヤス登場!
章司と奈々は奈々の二人暮らし生活について話し合いますが、話し合いで章司はとりあえず了承し、翌日淳子たちと4人でアパート707号室に行くと……スキンヘッドにグラサンの男がドアから出てきます。
このスキンヘッドにサングラスの男が「ヤス」で法律事務所で働いており、ナナの友人で保護者代わりをしている人物で、不動産だのガスや電気などナナの身の回りのことを全て取り仕切っているようです。
淳子とヤスという保護者の立ち会いのもと、改めて二人のナナは共同生活を始めることとなります。
「こうして、私とナナの共同生活はなんとか無事に幕を開けました。私的にはだけど」
「上京したてのそのころの私は、ちゃんと社会人としてやっていけるのか、とか、ずっと章司と恋人でいられるのか、とか、不安なことは山ほどありました。だけど、ナナと暮らし始めることに不思議と不安はなかったんだよ。それがどうしてかは、やっぱりうまく言えないけど……」
https://amzn.to/3iNgRCP
みどころ
地味な見所として、京助と淳子の章司と奈々のカップルに対する考察が興味深いです。生活の自立や経済的な事情などの悩みを章司から告げられていた京助の分析、奈々と長い付き合いの淳子の分析はかなり的を射ていて、当時の社会状況も推察されるなかなかのシーンです。
章司と奈々の話し合いも面白いです。自立してほしいと思いつつも、見ず知らずの人との共同生活を心配する章司は、非常にやさしく意外にも現実的でしっかりと物事を考えている様子が伺えます。
それにしても、ヤスの風貌は何度見ても面白いですね。