ヒカルの碁 第五十四局 「たかぶる心」

あらすじ

ネット碁の塔矢名人

ネット碁の世界では塔矢名人がネット碁の世界に現れたことが大きな話題となります。ネット碁で対局をするという有名な日本のプロに勝ったことから、本当に名人であることが明らかにネット碁界隈は賑わいを増します。

一方の十段戦の第四局は、名人の勝利となり緒方九段はあと一歩のところで負けてしまいます。塔矢名人はどうやらまだ入院中のようで、明日にはまた病院に戻るようです。そして、十段戦は2勝2敗で決着は最終戦に持ち越すこととなります。

翌日病院に戻った塔矢名人は、明日は誰にも面会に来させないでくれと病院に頼みます。奥さんにも明日は来ないでほしいと告げ、名人はネット碁に慣れるためか、パソコンでネットを打ち続けます。どうやらネット碁の猛者であるL.Lと対局しているようで、そのL.Lがなす術もなく負けたようで、ネット碁の関係者たちは盛り上がります。

佐為の意気込みと想い

一方ヒカルと佐為は、名人戦の時の塔矢名人の打ち手に関して勉強しており、ヒカルは誰もこんな手は思いつかないと感嘆します。すると佐為は、「打っている者だからこそ、ひらめくのです」と言い、側で見ているのとじ実際に打つのとでは違う。側の人の方は冷静かもしれないが、深いところまでは見えていないのだと言い、相手の真の技量も直接打って初めて見えるのだと言います。

そんな時に、アカリがやってきてヒカルに練習対局を申し込みます。拒否するヒカルですが、佐為が気分転換に打ちたいと言うためしぶしぶヒカルは承知します。考えながら打つ明かりに対して、ヒカルにもこんな時期があったと思い出し、また、塔矢行洋を知ったのもその頃であると回想し、自分と同じ神の一手を極めようとする相手だと感じたと振り返り、明日それが叶うのだと意気込みます。

みどころ

本編の内容としては少ないですが、久々のアカリの登場や塔矢名人の奥さんすなわちアキラの母親など、意外と登場人物は多いです。ネット碁の関係者たちの懐かしい面々の姿も見ることができます。

ネット碁に塔矢名人が登場したと言う事実が世界中で広まり、話題になる様子、有力なアマチュアが塔矢名人に乾杯するなど、作者の先見の明や情報社会に関する考え方などがよく現れており、非常に興味深いです。

見落とされがちなポイントですが、ヒカルと佐為の側で見るのと実際に打つのとでは大きく違うのだと言う、何気ない会話は非常に重要な意味を持ちますので、ぜひ覚えておいてください。

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