あらすじ
ユン先生再登場
ヒカルとスヨンが対局している碁会所に、見覚えのある人物が来ます。なんと海王中囲碁部のユン先生です。中学の大会で圧倒的な強さを見せながらも、翌年の対局では下手な碁を打ちアキラをがっかりさせたヒカルが陰性だと聞き驚きます。
対局はお互い一歩も引かず、真剣勝負となります。佐為は二人が決して無難な手を選ばず工夫した打ち合いをしているのを見て、伸び盛りの打ち手の眩しさを感じ心踊ります。
ヒカルの妙手と対局の行方
少し押され気味なところで、ヒカルは不可解な一手を打ち周囲は動揺します。誰もが悪手だと思い和谷たちは心配しユン先生は疑問を感じますが、佐為だけはヒカルの戦略に気づきます。対局は進み悪手だったヒカルの一手は突如として大きな意味をもちスヨンや周りは驚きます。
ヒカルの例の一手で形成がわからなくなり、スヨンは動揺しますが二人の真剣勝負は続きます。両者一歩も引かず形成がわからないまま寄せが終わり地を数えます。結果はヒカルの一目半勝ちとなります。スヨンは負けてしまいますが、あまりの熱戦で周囲は盛り上がり感心します。
俺の名前は進藤ヒカル
俯いたスヨンは泣き出し号泣します。こんなに悔しい対局はここしばらくなかった、本気の自分にヒカルが互角にわたりあったと自分の中で自問自答し、また日本にきてプロになりヒカルと戦うと心に決めます。そして、ヒカルに名前を聞きヒカルはそれに答えます。
対局後、ユン先生はヒカルの碁を初めて見たとき、二度目に見た時との感想を述べ、三度目の今回はプロを目指す者の力を見せつけられ、素晴らしい碁であったと褒めます。最初に見た(佐為が打った)対局と勝るとも劣らない碁であるとユン先生は語り、私もヒカルの名を心に刻もうと言います。
自分の対局が佐為が打った対局に引けを取らないとユン先生に言われたヒカルは有頂天になり、「あの人の頭の中にもう佐為はいない」「塔矢の中の佐為もいつか消してみせる」「俺の名前は進藤ヒカル」と意気込む一方で、佐為は胸騒ぎを感じます。
みどころ
シリーズ屈指の人気回です。君の名はを彷彿とさせる題名ですね。そんな「名前」が佐為とヒカルにとって大きな意味を持ってくるという見事な仕掛けです。
ユン先生が久しぶりに登場します。このユン先生の登場とヒカルとスヨンとの対局が今後、思わぬところで出て来ますので、頭の片隅に入れておくと良いでしょう。
スヨンの泣いているシーンはなかなか感動しますが、自分は負けてない。互角であると言い聞かせるのが興味深いです。そして、ヒカルの成長によって上書きされる周囲のヒカルへの評価は、佐為の胸騒ぎへと繋がります。自分の対局、自分の名前を意識し始めたヒカルの囲碁の自我の芽生えと、佐為との関係は今後大きな波乱を呼ぶこととなります。