あらすじ
韓国人の碁会所
和谷伊角とヒカルの三人チームは、伊角が以前紹介された碁会所に向かいます。ヒカルはすっかり碁会所での対局にも慣れた様子です。
三人が紹介された碁会所にいく途中、コンビニでヒカルは同年代の男の子と少し揉めますが気にせず碁会所に向かいます。すると、そこには日本人ではない人たちがたくさんいます。どうやら朝鮮系の人たちのお店で、ヒカルがコンビニで会った男の子の叔父が経営しているようです。
日韓の囲碁と、スヨンとの出会い
男の子の名前はホン・スヨンと言い、韓国から日本に来た韓国棋院の院生でプロを目指しているようです。韓国は日本よりも囲碁が盛んでおり、特に日本には負けたくないと考える韓国人は多くいます 。そんな韓国人の中で何も知らないヒカルは「韓国にもプロがあるのか」などと無神経なことを口走ってしまい、スヨンを怒らせてしまいます。
日本の院生は韓国に比べればレベルが低いと言われたヒカルは、スヨンに対局を申し込みますが、スヨンは突っぱねます。しかし所詮は子供、ヒカルの挑発にあっさり乗って対局することになります。指導碁なら打ってやると言うスヨンに対してヒカルは「指導碁なんかいらない」と言い互戦になります。
スヨンの過去とヒカルとの対局
スヨンは自分は競争の激しい韓国の研究生の上位にいるのでヒカルなど相手にならないと思いながらも受けて立ち、僕の方が強いと自信満々で立ち向かいます。
スヨンの叔父によると韓国の研究生の制度は10組まであり、上位4位が昇格、下位4位が降格と競争が激しいが、スヨンは順当に組みを上げていきいずれはプロになるのだと語ります。が、初めてクラスが下がった時に精神的に崩してしまい、それ以降調子を崩してしまいプロ試験にも落ちたので、父親が日本の叔父のところに息抜きとして寄越したのだとも語ります。
負けたらお前の名前を覚えてやるよ
スヨンは対局をしながら韓国での負け続けていく苦しい日々を思い出します。しかし、ヒカルが予想よりも強いため、目の前の対局に集中します。スヨンは「僕が負けたらお前の名前を覚えてやるよ!」と言い、ヒカルは「覚えてもらおうじゃねえか!」と返し、対局は熱を帯びます。
みどころ
国内の囲碁界のことを語る上でも欠かせない韓国の囲碁についての話題が登場します。囲碁界は韓国や中国の方が日本よりも盛んで、国別対抗戦だと日本はいつも押され気味です。
そんな背景もあり、韓国の人々の日本に対する対抗意識というのは非常に強く、そんな様子がよく描かれています。特に、スヨンやその叔父ではなく、周りの大人の態度がいかにも典型的というか「それっぽい」人たちですね。
私の知り合いに韓国人が何人かいますが、今の若い世代ではそこまで意識を持っている人は少ないですし、そういった態度をダサいと考える人もいるとかいないとか。
スヨンの叔父の語りやスヨン本人の回想を通して、韓国に囲碁研究生の厳しい実情も描かれます。なるほど、強いわけだと納得する厳しい制度だなと思います。囲碁の塾もあるほどの国なので当然です。対局から逃げてきたスヨンが勝ちたいと思い、囲碁と正面から向き合うところが熱いですね。
私は詳しくありませんが、「相手の名前を覚える」というのは韓国では何か特別な意味があるのでしょうか、いずれにせよ激アツ展開ですね。